Amazon Web Services ブログ
Amazon の機械学習とデータレイクでエネルギー使用量を予測する
あらゆる種類や規模の公益事業やエネルギー供給会社の幹部は、エネルギー使用量を予測するというニーズを複数抱えています。たとえば最高顧客責任者として、あなたのチームは家庭レベルのエネルギー使用量を予測して、そのご家庭に高額請求の可能性があると警告を送ったり、前払いや月末のエネルギー料金を予測したりすることができます。エネルギー効率化および商業エネルギープログラムの責任者として、あなたのチームはさまざまなエネルギー効率化施策を適用した際にどれくらいエネルギー消費を抑えられるのかを予測したり、最適な施策をおすすめしたりすることができます。
予測は、家庭ごとにも、キャンパスや資産管理者が持つ複数の商業ビルの単位で行うこともできます。運用担当の VP として、Amazon Forecast を使うことで、回線や変電所レベルでの需要予測から、変電所や配電変圧器の故障予測までを行うことができます。Amazon Forecast を顧客の人口統計データと組み合わせて、太陽光発電、バッテリー、電気自動車の設置が最も増加する可能性が高い地域や道路を予測することもできます。
ほとんどの公益事業会社はこの類の予測に必要な、計測、SCADA、顧客データなどを持っていますが、これらのデータが互換性のない別々のデータサイロに保管されているケースが多くあります。公益事業会社は、予測のために様々なツールを導入していることが多く、最も広く使われているのは Excel です。しかし多くの場合、高度な分析ツールを使用しているスタッフはほんの一握りであり、機械学習(ML)を使用して人工知能(AI)モデルを構築しているデータサイエンティストがいる公益事業会社はさらに少ないのが現状です。
AWS をご利用いただいている電力会社や公益事業会社のお客様の中には、Amazon が提供する AI/ML サービス、 ビッグデータとアナリティクス のサービスの幅広さと深さを活用して、データをデータレイクに集約することでこれらの課題を解決した企業もあります。これらを利用して、アナリティクスからの知見、予想や予測をタイムリーかつ手頃な価格で得ることができます。公益事業会社は、なかなか見つからないデータサイエンティストではなく、既存の IT 技術者、データエンジニア、アナリティクスの専門家のスキルを使ってこれらを実現しています。この分野における最近の AWS のお客様の成功事例として、世界的な公益事業技術会社である Xylem社(YouTube 動画)が挙げられます。
AWS のお客様がこのようなことができるのは、Amazon が 10 年以上にわたって AI/ML を使用して Amazon のサプライチェーンと顧客エンゲージメントプロセスの円滑運営を実施してきた経験があるからです。この知見は、Amazon SageMaker やフルマネージドの AI/ML サービスで提供される 画像認識 や 自然言語チャットボット、不正行為の検出、パーソナライズされたレコメンデーション、時系列データの予測 などの使いやすい ML ツールセットに組み込まれています。
Amazon Forecast は、公益事業会社がエネルギー消費量の予測に使用することができます。フルマネージドの AWS サービスであり、機械学習を時系列データ(まさに SCADA や計測システムが生成するもの)に対して使用することで、機械学習の経験がなくても精度の高い予測を行うことができます。
さらに詳しく知りたい場合は
こちらの 詳細な技術ブログ では、公益事業会社が Amazon S3 Data Lakes と Amazon Forecast ML サービスを使用して、過去の定期的に検針したデータと外部の気象データを組み合わせてエネルギー使用量を予測する方法を検討しています。Puget Sound Energy 社は、このアプローチを使用して一般的な家庭の電気とガスの消費量を予測しました。
Puget Sound Energy 社の PoC の情報 はこちらです。
AWS の電力会社や公益事業会社への適用に関する情報 はこちらです。
このブログは ML SA 大渕が こちらの記事 を翻訳したものです。