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AWS DeepRacer ご利用後のリソース削除方法について

先日 2019年6月12日~14日に開催されたAWS Summit Tokyo 2019 では AWS DeepRacer リーグが行われました。AWS DeepRacer のご利用の際は、ご利用後に使わないリソースを適宜削除し、不要な課金を防いで利用しましょう。

AWS DeepRacer シミュレータのアーキテクチャ

この図のように、AWS DeepRacer を立ち上げると、VPC 内に AWS DeepRacer の学習・推論評価用途 SageMaker, RoboMaker、描画、学習データの保存・データ転送に S3, Kinesis Video Stream, NAT Gateway が自動的に起動し、それぞれのサービスに対して課金が発生します。下記では、AWS DeepRacer ご利用後のリソース削除方法を紹介します。

注)本ブログは2019年6月15日時点の仕様を基にしており、今後変更の可能性がございます。

 

継続的な課金を停止するのに必要なこと

リソースの自動削除

  • 一度サービスを立ち上げると、学習・評価が終了しても、一部のサービスが起動したままの状態になっています。継続的な課金を防ぐために、下記の手順で関連リソースを削除することで、継続的な課金が防げます。
  • AWS DeepRacer → Reinforcement learning → Create model を選択
  • Account resources で、4つのリソースの左チェック印が緑色の場合、関連リソースが利用可能な状態となっています。
    不要な課金を防ぐためには、Reset resources をクリックすれば、S3以外の関連リソースは削除されます。

 

S3 バケットの削除方法

また、S3バケットの削除は別途行う必要があります。S3 バケットを削除すると、これまで学習したモデルが復元できなくなるので、ご注意ください。S3は他のサービスに比べ安価(料金表)なので、DeepRacerを完全に使わなくなった際にこちらを実行することをお勧めします。

  • サービス一覧から S3 を選択
  • S3 バケット一覧で、”deepracer”と入力し、モデル作成時に自動的に作られた S3 バケットを検索
  • 削除すると S3 への課金は防げますが、モデルの再構築はできなくなるのでご注意ください

 

ご利用後状況を確かめるには

アカウント情報をプルダウンし、マイ請求ダッシュボードから、ご利用状況を確認いただけます。左のメニュー項目の Billing → 請求書で月ごとの詳細を見ることができます。

アカウント情報をプルダウンし、マイ請求ダッシュボードから、ご利用状況を確認いただけます。左のメニュー項目の Billing → 請求書で月ごとの詳細を見ることができます。

 

「請求書」から月ごとの概算合計が確認できます

VPC内部の学習・シミュレーションに Amazon SageMaker, AWS RoboMaker、描画・学習データの保存・データ転送にAmazon S3, Amazon Kinesis Video Streams, Data Transfer, Amazon EC2(NAT Gateway)に課金が発生します。
reset resource をこまめに実行することで、EC2への課金比率は抑えることができます。

 

 

ご利用再開される際の注意

IAM のリソース削除

DeepRacerの開始時、すでにDeepRacerの IAM リソースが作られている場合はエラーが発生することがあります。その際は、Create Resource で作成した IAM role を削除する必要があります。サービス一覧から IAM を選択し、左のバーからIAM ロールを選択してください。次に、DeepRacer関連のロールを削除してください。DeepRacerに関連する IAM ロールを検索(”deepracer” と入力)し、該当する5つのロールを選択、ロールの削除をクリックし、ロールの削除を実行してください。

 

参考)DeepRacerでは、これらの IAM ロールが使われています。

  • AWSDeepRacerCloudFormationAccessRole
  • AWSDeepRacerLambdaAccessRole
  • AWSDeepRacerRoboMakerAccessRole
  • AWSDeepRacerSageMakerAccessRole
  • AWSDeepRacerServiceRole

AWS DeepRacer モデル構築の再開

Create resources を実行することで、再度モデル作成が可能になります。不要な課金を防いで、楽しく AWS DeepRacer リーグにチャレンジしてください!

参考)AWS DeepRacer と関連リソースの料金表

AWS DeepRacer :
https://aws.amazon.com/deepracer/pricing/?nc1=h_ls

関連リソース:

著者について

 

 

宇都宮 聖子 (Shoko Utsunomiya, Ph.D.) は AWS の機械学習ソリューションアーキテクトです。自動運転・AIヘルスケア・ゲーム・AIスタートアップなど様々な領域で、お客様の機械学習プロジェクト支援やソリューション開拓に従事しています。好きなサービスは Amazon SageMaker です。