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【開催報告&資料公開】Inter BEE 2023 AWS 出展者セミナー

AWS は、11 月 16 日に Inter BEE 2023 への出展に合わせて、幕張メッセ国際会議場で 「AWS メディアセミナー」を開催しました。セミナーでは、「Create, Deliver, Monetize」をテーマにメディア & エンターテインメント業界向けの最新動向とクラウド活用の成果をいち早く出されているお客様から 3 つの事例を紹介いただきました。本ブログでは、セミナーの内容と資料をご紹介します。

セミナーアジェンダ

  • アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 :
    AWS for Media & Entertainment ~ AWS クラウドで実現する放送・配信ワークフロー ~
  • 株式会社 WOWOW / 株式会社 TBS テレビ :
    ライブ制作の未来を変える!遅延なしの次世代型クラウドプロダクション
  • 朝日放送グループホールディングス株式会社 :
    1 日最大 150 球場超!大規模配信を支えるバーチャル高校野球ライブ配信の舞台裏
  • 株式会社ソニー・ミュージックマーケティングユナイテッド/ 株式会社 DataCurrent :
    GROOVEFORCE ENGAGEMENT で扱うデータ活用事例

AWS for Media & Entertainment ~ AWS クラウドで実現する放送・配信ワークフロー ~

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 執行役員 通信・メディア・戦略事業統括本部 統括本部長 恒松 幹彦
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 インダストリー事業開発マネージャー 山口 賢人

こちらのセッションでは、AWS から、メディア業界の最新動向、AWS クラウドを活用したメディア業界向けソリューションや Inter BEE 2023 での見どころをご紹介しました。AWS ではメディア業界を『コンテンツ制作』『メディアサプライチェーン & アーカイブ』『Direct-to-Consumer & ストリーミング』『放送』『データ活用 & 分析』の 5 領域で、AWS サービスやソリューション、サポートを提供することで、コンテンツ制作から放送・配信まで幅広くお客様のビジネスを支援しています。本セッションでは、「Create, Deliver, Monetize」 の 3 つのテーマで、お客様が直面している主な課題と挑戦、最新事例などを中心に、なぜ、メディア業界のお客様は AWS を選ぶのか?という理由などについてご紹介させていただきました。また、セッション後半では、AWS の生成系 AI への取り組みにおいて、 API を通じて主要な基盤モデルを利用できるようにするフルマネージド型サービス、 Amazon Bedrock も紹介しました。

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【Create】ライブ制作の未来を変える!遅延なしの次世代型クラウドプロダクション

株式会社 WOWOW 技術センター技術推進ユニット 馬詰 真実 様
株式会社 TBS テレビ メディアテクノロジー局 未来技術設計部 原 拓 様

近年盛り上がりを見せるクラウドリモートプロダクションは、リソースを中継現場に持ち込む必要がないため、機材の運搬、スタッフや設営にかかる費用、時間的コストを最小限に抑えることが可能な反面、遅延や制御などの課題がありました。TBS テレビ様及び WOWOW 様はそういった現状を打破すべく、AWS を基盤に、共同開発された双方向型超低遅延プロトコル Live Multi Studio (LMS) とノードベースのビジュアルプログラミングツール TouchDesigner で構築した独自アプリを掛け合わせ、軽量化・コスト削減と映像のクオリティの両立を目指し、クラウドプロダクションを実現されました。

この仕組みは、現場から要求されるライブ映像制作に必要な機能を実装し、リモート環境からのカメラ制御、スイッチング、リプレイ、CG、スコア表記運用を可能にし、実際の番組制作での活用も進んでいます。実例として、全国選抜高校テニス大会でのオールクラウドプロダクション、男子テニス国別対抗戦デビスカップでの有料配信番組での利用、全日本高等学校女子サッカー選手権大会での複数会場での制作効率化についての取り組みを紹介いただきました。

事例: 全国選抜高校テニス大会

事例: 全日本高等学校女子サッカー選手権大会

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【Deliver】1 日最大 150 球場超!大規模配信を支えるバーチャル高校野球ライブ配信技術の舞台裏

朝日放送グループホールディングス株式会社 DX・メディアデザイン局 村中 貴彦 様

全国高校野球選手権大会の地方大会は 1 日に最大 150 以上の球場で試合が実施されており、バーチャル高校野球では全試合配信を目指して配信規模を年々拡大されてきました。そして、今年地方大会全  3,434  試合のライブ配信を実現されています。この大規模なライブ配信を行う上で必要不可欠な配信基盤および運用サポートツールのシステムを AWS で構築いただいています。本セッションでは、2015  年から積み上げてきた高校野球ライブ配信の舞台裏をお話いただきました。

配信数拡大に伴う課題として、スケーラブルな配信の仕組み、技術レベルに差のある運用者のスキルに依存しないエンコーダーの提供、配信・機材ステータスや試合情報を共有するためのコミュニケーションの複雑化がありました。


そこで、朝日放送グループホールディングス様では、フルマネージドなライブエンコードサービス AWS Elemental MediaLive を活用し、スケーラブルな配信基盤を構築し、Standard チャンネルの冗長化により、本線・予備のストリームを自動的に切り替える仕組みを導入されました。また、一部球場で AWS Elemental Link エンコーダーを導入し、配信設備側の担当がエンコーダの設定まで管理することで、現場担当者の負担やエンコーダー起因のトラブルを軽減されました。また、ステータス情報管理をシステム化し、スケジュールやステータスの管理を効率的に行い、各所とのコミュニケーションをシステム上で共有、これによりコミュニケーションコストが削減され、効率的な運用を実現されました。

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【Monetize】GROOVEFORCE ENGAGEMENT で扱うデータ活用事例

株式会社ソニー・ミュージックマーケティングユナイテッド アナリティクス本部 課長 長田 洋 様
株式会社 DataCurrent 取締役 COO 古田 誠 様

本セッションでは、ソニーミュージックグループで活用している分析基盤である「GROOVEFORCE」シリーズの中で、ファン層を可視化し分析する事を目的とする GROOVEFORCE ENGAGEMENT で扱っているデータ活用事例を紹介いただきました。「GROOVEFORCE」は、レーベル・宣伝・マーケティング現場のユーザーが求められるデータを可視化し、ダッシュボードとして提供することで、データドリブンな意思決定をサポートしています。また複数の 1st パーティ、3rd パーティデータソースからのデータ取得を一元管理することでデータ取得コストを最適化しています。これにより、ファンの関心に基づくエンゲージメント向上施策や、最新トレンドや過去のヒット傾向からの楽曲制作支援、ファンの特性を捉えた効果的なプロモーション、分析作業の標準化・効率化を実現されました。

セッションでは、GROOVEFORCE ENGAGEMENT を活用した分析・施策の実例として、ストリーミングデータからアーティストのピーク月を抽出し、リリースタイミングを設定する施策や、プロモーション露出タイミングの最適化についてお話いただきました。また、アーティストのファン層が、どのようなテレビジャンルに興味を持っているかなどの分析も、デモを交えてご紹介いただきました。

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終わりに

今回は、Inter BEE 2023 の AWS セミナーの概要を紹介しました。

AWS 展示の概要についてはこちら
AWS スポンサー展示の概要についてはこちら
AWS ブースセッションの概要についてはこちら

を参照ください。


参考リンク

AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)

AWS のメディアチームの問い合わせ先: awsmedia@amazon.co.jp
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本ブログは BD 山口が担当しました。