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Amazon Connect による CSC Generation 社のカスタマーサポートの変革

はじめに

このブログ記事では、CSC Generation Holdings, Inc.(CSC Generation) が、複数のブランドにわたるカスタマーサービス運営をサポートするために、Amazon Connect に移行した理由をお伝えします。CSC Generation は、One Kings LaneSur La Table などの小売業者を高パフォーマンスなデジタルファーストブランドに変革させるマルチブランドの技術プラットフォームです。これらの小売業者の主な顧客は、上質な生活環境の演出に情熱を注ぐ個人、家族です。CSC Generation によるカスタマーサービス運営は、音声、チャット、Eメール、Web チケットを介して、各ブランドにさまざまなレベルのサポートを提供しています。これらのブランドはそれぞれ独自のサポートチャネルとキューを持っていますが、一部はオフィスを共有しています。

小売ブランドをデジタルファーストにするために、CSC Generation は柔軟で、エージェントの効率性と顧客のセルフサービス体験を改善するための組み込み AI 機能を備えたコンタクトセンターソリューションが必要でした。その結果、CSC Generation の開発チームは、独自の AI 駆動型 BPO 向上・生産性ソフトウェアである SnapBPO を構築しました。CSC Generation のチーフテクノロジストである Andrew Templeton との対談を通して、Amazon Connect への移行することで CSC Generation と同社の SnapBPO ソフトウェアが捉えた課題と機会について掘り下げます。

CSC Generation が直面していたカスタマーサービスの課題と、Amazon Connect への移行によってつかんだ活用機会は何でしたか ?

CSC Generation の各ブランドと子会社には、インタラクティブ・ボイス・レスポンス (IVR) 構造を含む、顧客との対話を処理するための異なるワークフローがあります。Amazon Connect を使用することで、これらの構成とビジネスルールの全範囲を1つのコンタクトセンターソリューションにエンコードできることを知っていました。これは、ブランド全体で今後の作業をより効率的にする大きな機会でした。SnapBPO ソフトウェアを介して、「私の注文した商品の状況は ? 」といった電話問い合わせの自動化や、リアルタイムでの顧客情報の提供など、顧客向けの高度な新機能とエクスペリエンスを簡単に追加することもできます。

顧客にセルフサービスを提供することが CSC Generation にとって重要ということですね。セルフサービスを貴社業務にどのように組み込んでいますか?

CSC Generation のそれぞれのブランドの顧客向け Web サイトでのセルフサービスに加えて、最も一般的なワークフローでは、 IVR で番号プロンプトを表示することなくすべて音声で処理を提供できるようにしています。これにより、お客様は必要な支援について自分の言葉で説明できます。 SnapBPO ソリューションに Amazon Lex を組み合わせることで、最も一般的なお客様からのご質問に完全な文章で回答しています。 結果として、「私の注文した商品の状況は ? 」といった問い合わせの平均対応時間 (AHT) が 1 分未満に短縮されています。

あなたは生成 AI の可能性を実験しています。 顧客へのセルフサービス体験を設計および提供する方法がこのテクノロジーによってどのように変化したかを共有していただけますか ?

顧客の様々な質問表現すべてを知る必要はなくなりました。 生成 AI を使用することで、Amazon Lex で発話のリストを事前に生成できるうえ、顧客からの問い合わせを読み取り理解するために、より強力だが低速に実行される NLP モデルを使用できます。 たとえば、顧客が「私の注文した商品の状況は ? それと、タオルの方は速達にしたか忘れました」という 2 つの異なる質問をした場合、SnapBPO セルフサービスボットは各問い合わせを識別し、「 9 月 3 日のご注文は明日郵送で配達されます。タオルは速達を選択されています。他に何かお手伝いできることはありますか ? 」と応答できます。

さらに、検索拡張生成 (RAG) を使用することで、製品、ビジネス方針、顧客の注文履歴や行動に関するすべての情報をインデックス化しています。 これにより、リアルタイムで顧客との会話に関連するコンテキスト情報を迅速に検索できるようになりました。

生成 AI を活用したセルフサービス体験などのテクノロジーを用いる場合、当然、顧客からの信頼性の問題が生じます。お客様からの信頼を確保するためにどのような対策を講じていますか ?

Amazon Lex は私たちの文章の分類、顧客からのフレーズの書き起こしを AWS のセキュリティとプライバシー制御のもと実行しています。 このコンテキストでの生成 AI の利用は、人々の想像よりありふれたユースケースです。私たちは主に「これはどのような文章なのか」や「注文番号は発話された番号の、一つ目なのか二つ目なのか」といった、質問の解釈に関心があります。 このように AI を利用し、注文番号や顧客名などの個人を特定できる情報を置き換えることで、機密情報は共有せず、文の構造のみを共有して最高のモデルを活用しています。

エージェント体験も、CSC Generation のカスタマーサポート戦略にとって重要です。Amazon Connect への移行は、エージェントのオンボーディングと全体的なサービス提供コストにどのような影響を与えましたか ?

オンボーディングの観点からは、AWS Identity Center とのシングルサインオンにより、IT チームにとっての管理が容易になりました。アプリケーションにエージェントをユーザーとして追加するだけで、Security Assertion Markup Language(SAML) 連携によって同期されます。コールセンターを Amazon Connect エージェントワークスペースに移行するにともない、カスタマーサービスエージェントは統一されたインターフェースだけを覚えればよくなりました。エージェントはシーズンによってさまざまなブランド間を移動することがあるため、このアプローチは労働力の管理を簡素化します。コストの観点からは、エージェント 1 人当たりの通信費は、SnapBPO AI ソフトウェアと Amazon Connect を使用したことで、以前使用していたソリューションと比較して約 80% 低くなっています。

ブランド間での統一されたエージェント体験についてのビジョンの詳細と、これが平均処理時間(AHT)にどのような影響を与えるかを共有いただけますでしょうか ?

キューのタイプとワークフローを、特定のブランドのポリシーに沿ってパラメータ化することで統一しました。 Amazon Connect エージェントワークスペースを使用することで、エージェントは、顧客が何のために問い合わせてきたのか、IVR がどのように対応したのか、過去の顧客とのやり取り履歴を確認できます。 このコンテキストにより、エージェントはよりパーソナライズされた形で顧客の質問に答えることができ、エージェントによる対話支援の平均処理時間 (AHT) を短縮できます。 また、エージェントはリアルタイムで内部のナレッジベースにアクセスして顧客の質問に答えたり、Amazon Connect Tasks を使用してエージェントワークスペースから直接メールを表示、返信したりすることができます。

当社のブランドの1つでは、エージェントワークスペース内でAmazon Connect カスタマープロファイルケース を利用し始めました。これにより、お客様からの問い合わせを簡単に追跡および処理できます。エージェントは、注文ステータスの確認、破損商品の報告、価格調整、注文キャンセルと返品、製品に関する一般的な問い合わせなどのサポート要求をより適切に行うために、お客様とその短期または長期にわたる問い合わせの全体像を把握できます。Amazon Connect のこれらの機能を他のブランドでも早速有効化することを楽しみにしています。

CSC Generation における大きなテーマの 1 つは、テクノロジー、エージェント体験、データを統一することのようです。CSC Generation のブランドにまたがって、カスタマーサービスデータやマージン報告を統一することの価値をどのように見ていますか ?

CSC Generation の傘下にあるブランドごとのスキーマレジストリとして機能する、内部データ管理プラットフォームにデータを保存し始めました。 例えば、One Kings Lane と Sur La Table はそれぞれ注文スキーマをデータ管理プラットフォームに登録しています。 生成型AIは、同じ論理型 ( 例 : 注文明細 ) の断片化されたスキーマを標準フォーマットに統一するために使用されます。 このデータを統一することで、個々のブランドは CSC Generation の傘下にあるすべてのブランドからの情報に選択的にアクセスできるようになり、チャットボットやエージェントが他のブランドでの購入内容に基づいて顧客にオファーをカスタマイズできるようになります。

さまざまなソースからのデータを統合することで、初期の顧客とのやり取りがより明確な視点で捉えられるようになり、ブランドが顧客基盤と最も親和性のある戦略やタッチポイントを特定できるようになります。これらの洞察は、広告の効果測定、顧客嗜好の理解、 SKU の収益性に関心のあるステークホルダーにとっての包括的な分析に不可欠です。

加えて、データを統合することでコールセンターの運用が大幅に改善されました。この新しいアプローチにより、緊急の問題により効果的に対処し、顧客からの問い合わせに対応し、サービス品質を向上させることができます。最終的に、この新しいアプローチにより、コールセンターがコストセンターであるだけでなく、収益源となる可能性があることが証明されるでしょう。

これらのカスタマーサポートバックエンドの変更は、顧客ロイヤルティと追加販売にどのような影響を与えますか ?

私たちが特に取り上げたい例の 1 つは、家具ブランドの 1 つです。 このブランドでは、優先的なセールスへのアクセス、新製品の早期アクセス、キャッシュバックプランを提供する有料の顧客ロイヤルティプログラムを開始しました。 ロイヤルティプログラムへの加入が見込まれる顧客とカスタマーサービスチームが対話する際、有料プログラムへの加入を二桁台半ばの割合で実現できています。 また、そうした顧客の生涯価値は、同じグループの他の顧客の 2 倍となっています。

今後、CSC Generation とその SnapBPO ソフトウェアは Amazon Connect をどのように利用するつもりですか ? 生成 AI をより多くのユースケースに展開するための計画はどんなものですか ?

生成 AI の可能性にわくわくしています。 Amazon Connect でこのテクノロジーの利用を拡大する予定です。チャットとボイスチャネルのエージェントへのレスポンスを提案するために生成 AI を使用するだけでなく、ビジョンを広げたいと考えています。「生まれた場所は ? 」といった従来のセキュリティ質問から、「 3 日前に購入したものは ? 」といったダイナミックで取引ベースの質問への移行によって、ユーザーを認証することも目指しています。この変更により、各個人のユニークな最近の取引に関連する答えを必要とすることで、顧客体験を高め、セキュリティを強化します。構造化されていないデータを活用することが、顧客をより深く理解する鍵となります。

SnapBPO ソフトウェア、コールセンター、カスタマーサービス運用のためのソリューションをついに見つけられたことを嬉しく思います。これは、ポートフォリオ企業内のさまざまな運用ドメインにおける卓越性と標準化を追求する CSC Generation ミッションを反映するものです。

結論

CSC Generation とその AI ベースの SnapBPOソフトウェアに、Amazon Connect は頻繁なリリースと改善を通して、 AI と自動化を利用してカスタマーサービスを改善するだけでなくコストを削減し成長を促進する機会を提供しています。 セルフサービス体験を統合し、エージェントの効率化を支援するために AI などの組み込み機能を活用することで、 CSC Generation はカスタマーサービスの運用を変革し、より効率的かつ効果的なものにすることができました。

世界中のビジネスがAmazon Connectをどのように利用して、顧客とエージェントのエクスペリエンスを改善しているかをご覧ください。

CSC Generation Holdings, Inc. (CSC Generation) について

CSC Generation は、小売業者を取得し、それらを高パフォーマンスのデジタルファーストの消費者中心のビジネスに変革するマルチブランド技術プラットフォーム企業です。CSC Generation は、強力なマーケティングインテリジェンス、サプライチェーンおよび流通チャネル、優れたカスタマーサポート、そして実店舗およびオンラインとカタログ販売の経験により、小売業界の他社と一線を画しています。

Andrew Templeton

Andrew Templeton は、構築、フリートロジスティクス、eコマースなどのさまざまな業界における革新的な AI 駆動の自動化プロジェクトの設計と実行を専門とする、P/L 経験を持つシーズンされた技術リーダーです。顧客サービスの自動化と品質問題の検出のイニシアチブを特に率いており、TypeScript でのソースコードリファクタリングのための高度なエンジンを開発するとともに、動的にスケーリングするデータ統合プラットフォームの確立にも貢献しています。技術的知見は広範囲に及び、TypeScript、Python、Ruby や React、Vue といったクライアントサイドフレームワークに加え、Amazon Web Services の上級認定も保有しています。

Chris Phan

AWS テクノロジーを専門とするテクニカルアカウントマネージャーとして、クリスはテクノロジーとフロントエンド開発への情熱で、技術的な専門知識とクライアントサポートのダイナミックなブレンドを提供しています。クラウドベースのウェブソリューションの常に進化する領域において一人一人へのガイダンスと継続的な学びを通じて、顧客がユニークな課題に対処し戦略的な成功を達成するのを支援することに専念しています。

 

翻訳はテクニカルアカウントマネージャー高橋が担当しました。原文はこちらです。