Amazon Web Services ブログ
AWS Pi Day 2022 にようこそ
Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) の提供を開始したのは、16 年前の今日でした。
昔、私の話をお聞きいただいた方々には、大きく考え、大きく夢見てほしいとよく語っていたものです。 振り返ってみると、S3 のリリースがまさにその実現を可能とするものであり、今日まで続くイノベーションの波の始まりであったと言っても過言ではないと思います。
より大きく、より多くの場で活用できるようになり、より高い費用対効果を実現
Amazon S3 をご利用のお客様は、信頼性と耐久性に優れ、かつ、ニーズに合わせてスケールできるオブジェクトストレージを利用できること、そして、時間の経過とともにコスト効率が向上することを期待しています。当社は、これらのニーズを含め、多くのニーズを満たしてきました。これは、次の新しい指標によって証明されています。
オブジェクトストレージ – Amazon S3 は現在 200 兆 (2 x 1014) を超えるオブジェクトを保持しています。これは、地球上に居住している全員で平均すると、1 人につき約 29,000 個のオブジェクトとなります。1 秒間に 1 つのオブジェクトと考えれば、この数に達するまでには 634.2 万年かかるでしょう! Ethan Siegel 氏によれば、目に見える宇宙には約 2 兆個の銀河があるということなので、1 つの銀河につき 100 個のオブジェクトがあるという風に想像してみてもよいでしょう! 2006 年に S3 がリリースされて間もなく、当時としては印象的だった 8 億個の保存オブジェクトという指標を発表しました。これを踏まえると、オブジェクト数は 16 年足らずで 25 万倍になったことになります。
リクエスト率 – Amazon S3 では、1 秒あたりの平均リクエスト数が 1 億件を超えています。
費用対効果 – 当社は時間をかけて、さまざまなワークロードのコストとパフォーマンスを最適化するために、S3 に複数のストレージクラスを追加してきました。例えば、AWS のお客様は、Amazon S3 Intelligent Tiering (データアクセスパターンが変化したときに自動的にストレージコストを節約できるように設定する唯一のクラウドストレージクラス) を大いに活用しており、Amazon S3 Standard と比較して、2 億 5,000 万 USD を超えるストレージコストを削減しています。2018 年にこのストレージクラスについての最初の記事を投稿したとき、私はこのように述べました。
アクセスパターンを深く理解しなくても S3 を簡単に活用できるように、新しいストレージクラスである S3 Intelligent-Tiering の提供を開始します。
小さいオブジェクトや短期利用のためのオブジェクトのコスト最適化の改善と、昨年末にリリースされたアーカイブ機能により、ほぼすべてのワークロード、特にデータレイク、アナリティクスのユースケース、新しいアプリケーションのデフォルトのストレージクラスとして S3 Intelligent-Tiering をご利用いただけるようになりました。
カスタマーイノベーション
上記の指標からわかるように、当社のお客様は S3 を使用して膨大な量のデータを保存および保護し、同様に膨大な数のユースケースやアプリケーションをサポートしています。ここでは、お客様が起こしているイノベーションをいくつかご紹介します。
NASCAR – 70 年超にわたるモータースポーツの歴史を記録した動画、画像、および音声アセットの収集に 15 年を費やした後、NASCAR は、8,600 を超える LTO 6 テープと数千の LTO 4 テープを含むメディアライブラリを構築しました。1 年間で 1.5 PB から 2 PB ずつ増加しています。18 か月間にわたって、Amazon S3 Standard、Amazon S3 Glacier Flexible Retrieval、および Amazon S3 Glacier Deep Archive のストレージクラスを利用して、このコンテンツ (合計 15 PB) のすべてを AWS に移行しました。この巨大で貴重なアーカイブをどのように移行したかについての詳細は、「Modernizing NASCAR’s multi-PB media archive at speed with AWS Storage」(AWS Storage で NASCAR のマルチ PB メディアアーカイブを迅速にモダナイズする) をお読みください。
Electronic Arts – このゲームメーカーのコアテレメトリシステムは、数十ペタバイトのデータ、数万のテーブル、20 億を超えるオブジェクトを処理します。同社のゲームの人気が高まり、データ量が増加するにつれて、データの増加、コスト管理、保持、およびデータの利用に関する課題に直面していました。一連のアップデートにおいて、同社は、アーカイブデータを Amazon S3 Glacier Deep Archive に移動し、タグ駆動型の保持管理を実装し、Amazon S3 Intelligent-Tiering を実装しました。同社ではコストを削減するとともに、データアセットにアクセスしやすくしました。詳細については、「 Electronic Arts optimizes storage costs and operations using Amazon S3 Intelligent-Tiering and S3 Glacier」(Electronic Arts が Amazon S3 Intelligent-Tiering と S3 Glacier を使用してストレージコストとオペレーションを最適化する) をお読みください。 NRGene / CRISPR-IL – このチームは、一丸となって、クラス最高の遺伝子編集予測プラットフォームを構築しました。CRISPR (『 A Crack In Creation』は素晴らしい入門書です) は、遺伝子を編集し、生命体の遺伝子構成に変化をもたらす非常に新しく、非常に正確な方法です。CRISPR-IL コンソーシアムは、研究者が次の実験を形づくるのに役立つ予測エンジンに結果を送ることができるようにする反復学習プロセスを中心に構築されています。「 A gene-editing prediction engine with iterative learning cycles built on AWS」(AWS 上に構築された反復学習サイクルを備えた遺伝子編集予測エンジン) で説明されているように、チームは 5 つの主要な課題を特定し、AWS を使用して GoGenome を構築しました。これは、予測を実行して結果をユーザーに提供するウェブサービスです。GoGenome は 20 テラバイトを超える raw シーケンスデータと数億個の特徴ベクトルを保存し、Amazon S3 や他の AWS ストレージサービスをデータレイクの基盤として利用しています。最近の S3 の成功事例には、Liberty Mutual (How Liberty Mutual built a highly scalable and cost-effective document management solution (Liberty Mutual が非常にスケーラブルでコスト効率の高いドキュメント管理ソリューションを構築した方法))、Discovery (Discovery Accelerates Innovation, Cuts Linear Playout Infrastructure Costs by 61% on AWS (Discovery が AWS でイノベーションを加速し、リニアなプレイアウトインフラストラクチャコストを 61% 削減))、Pinterest (How Pinterest worked with AWS to create a new way to manage data access (Pinterest が AWS と連携してデータアクセスを管理する新しい方法を生み出した経緯)) などがあります。
今すぐ資料をダウンロードいただけます
AWS Pi Day 2022 を祝して、1 日をかけて教育セッション、ライブデモ、さらには 1~2 個のリリースをご用意しました。また、Amazon S3 Glacier Instant Retrieval、Amazon S3 Batch Replication、AWS Backup Support for Amazon S3 など、最新のいくつかの S3 リリースについてもご説明いたしました。
システム管理者、エンジニア、デベロッパー、およびアーキテクト向けに設計されたセッションでは、セキュリティ、バックアップ、アーカイブ、認証などに関する素晴らしい最新情報をお届けします。3 月 14 日午前 9 時 30 分 (米国時間) に、Twitch で行われた Kevin Miller のキックオフの基調講演やAmazon S3 をアプリケーションで利用する方法について、各種資料をダウンロードいただけます。是非ご覧ください。
– Jeff;
原文はこちらです。