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Epic Games の Unreal Engine を使ったバーチャルプロダクションのリファレンスアーキテクチャ

今回、Epic Games の Unreal Engine を使用したバーチャルプロダクション向けアマゾンウェブサービス ( AWS ) リファレンスアーキテクチャについて紹介します。AWS のお客様は、バーチャルプロダクションに適したアーキテクチャの構築という課題に直面した場合、この投稿で概説されているベストプラクティスに従うことができます。このリファレンスアーキテクチャは、セキュリティ、俊敏性、優れた運用性を念頭に置いて構築されています。

Epic Games の Unreal Engine を使用したバーチャルプロダクションのための AWS リファレンスアーキテクチャ

このアーキテクチャは、AWS を利用した単一の環境で、現場で制作チーム、リモートで作業するバーチャルアート部門、プリプロダクションまたはポストプロダクションプロセスに参加している他のリモートコラボレーターをつなぎます。

このアーキテクチャの中心となるのが Unreal Engine をクラウドで実行するコンピューティングワークステーションである Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) です。Amazon EC2 G5 インスタンスファミリーは、最大 8 つの NVIDIA A10G テンソルコア GPU と第 2 世代 AMD EPYC プロセッサをサポートします。また、最大 100 Gbps のネットワーク帯域幅と、最大 7.6 TB のローカル NVMe SSD ストレージを使用することもできます。AWS Marketplace から Unreal Engine 4 (UE4) 用の Amazon Machine Image ( AMI ) の使用することで開始できます。この AMI は Epic Games と共同で構築しました。これには、UE4 インストールの AWS 固有のバージョンをビルドしなくても、すぐに実行できる UE4 のバージョンが含まれています。また、組織の特定のニーズに合わせてカスタマイズすることを選択した場合は、ベースイメージとしても機能します。

アセットストレージのニーズに対応する Perforce Helix Core をこのリファレンスアーキテクチャに追加しました。多くのお客様が Perforce Helix Core を使用して、Unreal Engine を搭載したクラウドでのアセット管理を行っています。汎用 Amazon コンピューティングインスタンス ( Amazon EC2 ) 上で実行され、高パフォーマンスの Amazon Elastic Block Store ( EBS ) にアセットを保存します。Perforce Helix Core は、プライマリ/スタンバイ構成の 2 つのアベイラビリティーゾーンにデプロイすることをお勧めします。また、AWS Backup を使用して、ストレージボリュームの定期的なバックアップをスケジュールできます。Perforce Helix Core は AWS Marketplace で入手できます。

このアーキテクチャのデスクトップストリーミングプロトコルには、高性能リモートディスプレイプロトコルである NICE DCV を選択しました。さまざまなネットワーク条件下で、クラウドから Microsoft Windows、Linux 、Mac  のデスクトップやモバイルデバイスにリモートデスクトップとアプリケーションストリーミングを安全に配信できます。NICE DCV と Amazon EC2 を使用すると、グラフィックを多用するアプリケーションを EC2 インスタンスでリモートで実行し、ユーザーインターフェイスをよりシンプルなクライアントマシンにストリーミングできるため、高価な専用ワークステーションが不要になります。NICE DCV ホストソフトウェアは上記の Unreal Engine AMI に含まれているため、追加のセットアップ、設定、またはコストは不要です。

ローカルマシンにクライアントをインストールすることで開始することができ、Unreal Engine を実行しているクラウドワークステーションに接続する準備が整います。この設計には、Leostream 接続ブローカーと、このアーキテクチャへの Leostream ゲートウェイが含まれます。Leostream は、クラウドで多数の Unreal Engine ワークステーションを実行している組織に、強力なリモートデスクトップ管理機能を提供します。AWS マーケットプレイスから Leostream の使用を開始できます。規範的な選択肢として NICE DCV を選択しましたが、Teradici を使用したい組織では、参照を簡単に変更できます。

Amazon FSx for Windows ファイルサーバーを、クラウド内の Unreal Engine ワークステーションの共有ストレージとして追加しました。アーティストはこれをスクラッチスペースおよび作業フォルダーとして使用します。Amazon FSx for Windows ファイルサーバーは、SMB で利用できる Microsoft Windows サーバー上に、完全マネージド型、高度にスケーラブルで信頼性の高いファイルストレージを提供します。これは、このアーキテクチャでユーザー管理用に選択した AWS 管理の Microsoft Active Directory ( AD ) とうまく統合され、大規模な組織に必要な管理機能を提供します。ユーザー設定と設定は、AWS Backup を使用して Amazon EBS ボリュームに保存されます。

アーティストに最も近い AWS Region にインフラストラクチャを構築することをお勧めします。地理的に異なる場所にアーティストがいる場合、AWS ではプライマリリージョンから別のリージョンにデータをレプリケートするための複数のオプションを提供しています。また、復元性とフェイルオーバーのために、1 つの AWS Region の 2 つ以上のアベイラビリティーゾーンにインフラストラクチャを作成することをお勧めします。

Unreal Engine と Perforce クライアントを実行するオンセットのプロダクションワークステーションは、セキュリティを確保するために AWS VPN 経由でクラウド環境に接続し、アーティストはリモートで接続して保護を強化します。

AWS CloudFormation などの自動化テクノロジーを使用して環境全体を構築することも、Amazon Nimble Studio を活用することもできます。Nimble Studio は、クラウドでクリエイティブスタジオを簡単に作成し、世界中のアーティストとの迅速なオンボーディングとコラボレーションを行い、AWS のグローバルインフラストラクチャでコンテンツをより迅速に作成する方法を提供します。


ロサンゼルスのエルセグンドにある NantStudios の LED ステージで「 The Origin 」を撮影したブリット・プロダクションズのアンリアル ICVFX セット

「Epic Games では、アマゾンウェブサービスとのパートナーシップをゲームだけでなく、映画やテレビなどの分野にも拡大できることを嬉しく思います」と、Epic Games のビジネス開発マネージャーである Rob Di Figlia は述べています。「 Unreal Engine は、リアルタイムテクノロジーの大きな変化を推進し、ビジュアルエフェクトやアニメーション制作の作り方を変革する手助けをしています。AWS クラウドインフラストラクチャは、Unreal Engine を大衆が利用できるようにし、次世代のクリエイターに力を与えることで、この変化を加速させています。」

Blue by Preymaker

「AWS で Unreal Engine を使用する利点は、オンセットで稼働しているようなものだということです。自分が取り組んでいることを実際に確認でき、リアルタイムで変更を加えることができ、よりクリエイティブになります。それはアーティストにとって非常に自由であり、あなたの想像力を自由にします。この時点までは、「ああ、液体に行くの? それは本当に高価だ!」または「人? 髪がとてつもなく硬い!』」とPreymaker のチーフクリエイティブのアンガス・ニールは話します。「 Unreal Engine のすべての進歩により、映画製作者とストーリーテラーは、かつては信じられないほど複雑で困難だったことを気にする必要がなくなりました。」


Hazimation by HaZ Dulull

AWS は積極的にお客様の声に耳を傾け、私たちみんなが好きなことや素晴らしいコンテンツに集中するための創造を可能とするバーチャルプロダクションインフラストラクチャの複雑さを解消することに努めています。 Hazimation の共同創設者である HaZ Dulull は、以前のブログ記事「バーチャルプロダクションとマイクロスタジオの台頭」で、クラウドベースのバーチャルプロダクションのパワーについて語りました。Haz は最近のフォローアップで、バーチャルプロダクションのセットアップにおける課題を確認し、「サーバの設定には作業と技術的なノウハウが必要です。大規模なスタジオでは問題ないかもしれませんが、インディーズスタジオでは YouTube とヘルプドキュメントに多くの時間を費やし、最終的にはサーバーシステムの担当者を雇ってインストールします。プロジェクトで必要とされるすべてのセキュリティプロトコルを保持しながら、1 つのインターフェイス内でできるだけシンプルに環境をセットアップして制御したいと考えています。」と述べています。

バーチャルプロダクション向け AWS リファレンスアーキテクチャは、大規模スタジオと小規模スタジオのニーズに合わせて簡単にデプロイおよび拡張できる、規範的なアーキテクチャをスタジオに提供します。チームは、今年 (2022年) 2 月21 日から 24 日にパームスプリングスで開催されるハリウッド・プロフェッショナル・アソシエーション・テックリトリートで、バーチャルプロダクションのプレゼンテーションとディスカッションを行っています。詳細については、virtualproduction@amazon.com までご連絡ください。

参考リンク

AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)

AWS のメディアチームの問い合わせ先: awsmedia@amazon.co.jp
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翻訳は SA 斎藤、 SA 小久保が担当しました。原文はこちらをご覧ください。