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AWS Compute Optimizer の新機能 – ルックバック期間を 3 か月間に延長するための拡張インフラストラクチャメトリクス

AWS Compute Optimizer は、機械学習を使用して使用率メトリクスの履歴を分析することで、コストを削減し、パフォーマンスを向上させるために、ワークロードに最適な AWS リソースを推奨します。リソースを過剰にプロビジョンすると不要なインフラストラクチャコストが発生し、リソースのプロビジョン不足が生じるとアプリケーションのパフォーマンスが低下する可能性があります。Compute Optimizer は、使用率データに基づいて、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンス、Amazon Elastic Block Store (EBS) ボリューム、および AWS Lambda 関数といった 3 種類の AWS リソースに最適な設定を選択するのに役立ちます。2021 年 11 月 29 日(米国時間)、AWS Compute Optimizer が、リソース固有のレコメンデーションを強化する機能をオプトインまたはオプトアウトできるレコメンデーションの詳細設定をサポートするようになったことをお知らせします。

EC2 インスタンスについては、AWS Compute Optimizer は過去 14 日間Amazon CloudWatch メトリクスを分析し、レコメンデーションを生成します。このため、1 か月または四半期ごとのパターンを持つワークロードのサブセットにとって、レコメンデーションは無関係のものでした。このようなワークロードでは、最適化されていないリソースを探し、長期間にわたって適切なリソース設定を決定する必要がありました。これには時間がかかる場合があり、特に大規模な組織では、クラウドに関する深い専門知識が必要となります。

レコメンデーションの詳細設定をご利用いただけるようになったことで、Compute Optimizer は、レコメンデーションの詳細設定の新しい有料機能である拡張インフラストラクチャメトリクスを提供するようになりました。これにより、EC2 インスタンスと Auto Scaling グループのためのレコメンデーションの質が向上します。アクティブ化すると、メトリクスのルックバック期間が 3 か月間に延長されます。拡張インフラストラクチャメトリクスは、個々のリソースについて、または AWS アカウントもしくは AWS Organizations レベルで、アクティブ化できます。

ここで、実際にどのように機能するか見てみましょう。

AWS Compute Optimizer での拡張インフラストラクチャメトリクスの使用
ここでは、AWS Organizations の管理アカウントを使用して、Organization level の詳細設定を確認しています。Compute Optimizer コンソールの左側のペインで、[Accounts] (アカウント) を選択します。これで、[Organization level preferences for enhanced infrastructure metrics] (拡張インフラストラクチャメトリクスの Organization level の詳細設定) を設定するための新しいセクションが表示されます。コンソールは、これが有料機能であることを警告します。

組織内のすべてのアカウントについて、米国東部 (バージニア北部) リージョンで実行されている EC2 インスタンスの拡張インフラストラクチャメトリクスをアクティブ化したいと考えています。[Edit] (編集) ボタンを選択します。[Resource type] (リソースタイプ) で、[EC2 instances] (EC2 インスタンス) を選択します。[Region] (リージョン) で、[US East (N. Virginia)] (米国東部 (バージニア北部)) を選択します。フラグがアクティブであることを確認して保存します。

コンソールのスクリーンショット。

このページでいずれかの AWS アカウントを選択した場合、[View preferences] (詳細設定を表示) を選択して、その特定のアカウントの設定を上書きできます。例えば、テストに使用するアカウントを無効にすることができます。これは、EC2 インスタンスが CI/CD パイプラインによって自動的に作成され、通常は数時間以内に終了するためです。

コンソールのスクリーンショット。

コンソールの [Dashboard] (ダッシュボード) では、EC2 インスタンスと Auto Scaling グループに関する全体的なレコメンデーションを確認できます。

コンソールのスクリーンショット。

[EC2 instances] (EC2 インスタンス) のボックスで、[View recommendations] (レコメンデーションを表示) を選択し、いずれかのインスタンスを選択します。[Edit] (編集) ボタンを使用すると、この特定のリソースについて、拡張インフラストラクチャメトリクスをアクティブ化または非アクティブ化できます。また、組織レベル、アカウントレベル、およびリソースレベルのすべての設定を考慮して、この特定の EC2 インスタンスについて、拡張インフラストラクチャメトリクスが実際にアクティブであるかどうかも確認できます。設定を変更したばかりで、更新された設定を Compute Optimizer がレコメンデーションで考慮するまでに数時間を要することがあるため、ここには [Active (pending)] (アクティブ (保留中)) と表示されています。

コンソールのスクリーンショット。

以下では、インスタンスの推奨オプションを確認できます。現在のワークロードを考慮すると、インスタンスタイプとサイズを c3.2xlarge から r5d.large に変更してコストを削減する必要がありそうです。

コンソールのスクリーンショット。

数時間のうちに、Compute Optimizer は直近 3 か月間の CloudWatch メトリクスに基づいてレコメンデーションを更新します。このようにして、1 か月または四半期ごとのアクティビティがあるワークロードについて、より適切な提案事項を得ることができます。

利用可能なリージョンと料金
AWS Compute Optimizer のアカウントの詳細設定のページで、組織内のすべてのアカウントまたは個々のアカウントについて、拡張インフラストラクチャメトリクスをアクティブ化できます。よりきめ細かい制御が必要な場合は、リソースの詳細のページで、個々のリソース (Auto Scaling グループまたは EC2 インスタンス) についてアクティブ化 (または非アクティブ化) できます。 AWS Command Line Interface (CLI) または AWS SDK を使用して、拡張インフラストラクチャメトリクスをアクティブ化することもできます。

Compute Optimizer のデフォルトの詳細設定 (14 日間のルックバック) は無料です。拡張インフラストラクチャメトリクスを有効にすると、リソースごとに 1 時間あたり 0.0003360215 USD の費用がかかり、リソースが実行されている 1 か月あたりの時間数に基づいて料金が請求されます。1 か月間 (31 日間) 実行されるリソースの場合は 0.25 USD となります。詳細については、Compute Optimizer の料金のページをご覧ください。

拡張インフラストラクチャメトリクスを使用して、Compute Optimizer で過去 3 か月間のメトリクスに基づいてレコメンデーションを生成しましょう。

Danilo

原文はこちらです。