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AWS Elemental MediaLive Anywhere のご紹介 : お客様独自のインフラストラクチャでクラウド制御のビデオエンコードを実行

Background : 背景

現在、放送、ライブストリーミングそしてビデオ配信をオンプレミスの素材またはローカルネットワークの送信先に行うお客様には、ライブビデオワークフローを構築する際にさまざまな選択肢があります。これらのオプションにはすべてトレードオフがあり、オンプレミスとクラウドの両方でのハイブリッド展開が必要な場合に理想的なものはありません。

お客様は、アマゾンウェブサービス (AWS) から AWS Elemental Live などのオンプレミスのエンコーディングアプライアンスおよびソフトウェアを購入してデプロイできます。ただし、アプライアンスを維持し、ソフトウェアを最新の状態に保つための運用コストは、新機能の導入やビデオ品質の向上を妨げる可能性があります。お客様がオンプレミスとクラウドの両方のライブビデオワークフローをハイブリッドに導入している場合、管理と監視の複雑さは増すばかりです。また、クラウドへの移行を希望するお客様は、すでにデータセンターにハードウェアを導入しているか、長期リース契約を結んでいる場合があります。

多くのお客様が AWS Elemental MediaLive ( MediaLive ) のフルマネージド機能の使用を希望しますが、serial digital interface (SDI) などのビデオ素材はオンプレミスに固定されています。これを解決する 1 つの方法は、AWS Elemental Link などのクラウド制御デバイスを使用することですが、これらのデバイスはマルチチャネル環境のニーズや、エンコード設定を正確に制御したい場合のニーズを満たさない可能性があります。また、お客様によっては、ローカルで管理されたコンテンツ配信ネットワーク (CDN) またはパッケージャーでのラストマイル配信のエンコーディングを必要とし、この処理のためにクラウドへのストリームの往復を行うと、不必要な複雑さとコストが増えます。

Introducing AWS Elemental MediaLive Anywhere : AWS Elemental MediaLive Anywhere のご紹介

AWS Elemental MediaLive Anywhere は MediaLive の機能で、管理にクラウドを利用しながら、オンプレミスでライブ動画エンコードを実行できます。その名の通り、MediaLive を使用してほぼどこからでも動画をエンコードできるようになりました。MediaLive Anywhere はお客様のハードウェアにデプロイされ、ビデオ処理はオンプレミスで実行され、構成、制御、監視、および管理タスクはクラウドで実行されます。MediaLive Anywhere を使用すると、ハイブリッドワークフローの運用を改善し、ビデオの転送を最小限に抑え、オンプレミスのビデオ素材と送信先に接続できます。

AWS Elemental の GM である Manish Rao 氏は次のように述べています。「ライブ動画素材をクラウドに移行できない場合、MediaLive Anywhere がクラウドをあなたの元に運んでくれます。動画素材や送信先がオンプレミスで固定されている場合や、引き続き使用したいコンピューティングリソースがある場合、MediaLive Anywhere は MediaLive と同じ優れた機能、API、監視ツール、コンソール、従量課金制の価格設定を提供して、あらゆる場所でのエンコーディングを可能にします。」

Streamline live video operations and simplify on-premises encoding : ライブビデオの運用効率化とオンプレミスのエンコーディングの簡素化

MediaLive Anywhere を使用すると、一貫性のある API、チャンネルプロファイル、ログ、およびメトリックを使用して、ハイブリッドまたはオンプレミスのビデオエンコーディングを管理できます。オンプレミスの場所が複数ある場合でも、全てのチャネルを 1 か所で設定、制御、監視できます。MediaLive Anywhere でチャンネルを開始するたびに、最新の機能やアップデートが提供されます。ソフトウェアアップデートを心配することなく、新しいコーデックやエンコーディング品質などの最新のビデオ処理機能を利用できます。

Netflix のライブ エンコーディング テクノロジーのシニア エンジニアリング マネージャーである Flavio Ribeiro 氏は以下のように述べています。「 AWS Elemental MediaLive Anywhere は、加入者にライブ動画を配信する方法を変革する能力を持っています。オンプレミスとクラウドのワークフロー間の一貫性のあるエクスペリエンス、自動化されたソフトウェアアップデート、統合サポートにより、新しいビデオワークロードをどこにでも簡単に展開して制御できるようになります。」

SDI などのオンプレミスに固定されたビデオ素材や、マネージド CDN やパッケージャーのようなローカルネットワークの送出先がある場合は、接続性が重要です。MediaLive Anywhere を使用すると、オンプレミスのビデオ素材をエンコードすることで複雑さを軽減できます。同様に、ライブビデオをローカルネットワークの宛先に送信する必要がある場合に、オーバーヘッドを削減し、クラウドへの不要なストリームの往復を回避できます。

TV 2 Danmark のライブテクノロジー担当スタッフエンジニア、Loke Dupont 氏は次のように述べています。「 MediaLive Anywhere は、オンプレミスとクラウドのライブエンコーディングの運用を大幅に簡素化します。クラウド内の単一ポイントからすべてを制御でき、ソフトウェアのアップグレードを自動的かつ透過的に行うことができるため、運用ではなくユーザーエクスペリエンスに集中する時間が得られます。」

Ease migration and improve streaming efficiency : 容易なマイグレーションとストリーミング効率の向上

特にライブ動画のワークフローがほとんどオンプレミスにある場合は、AWS Elemental Live アプライアンスとソフトウェアが依然として適切な選択である場合があります。AWS とこれらのアプライアンスを再販する AWS パートナーは、2024 年 4 月にリリースされた AWS Elemental Live L900 シリーズアプライアンスの新ラインナップを含め、お客様が自社のデータセンターで使用できる最も汎用性が高く、機能が充実した物理エンコーディングアプライアンスの提供に取り組んでいます。

オンプレミスとクラウドをハイブリッドに導入している場合は、MediaLive Anywhere の方が適しています。加えて、既存設備のリースの期限が切れるのを待っていたり、長期的な設備投資を行っていてクラウドへの移行が遅れたりすることがあります。MediaLive Anywhere は、オンプレミスハードウェアの管理からフルマネージドクラウドエンコーディングへの移行を容易にするように設計されています。ハードウェアによっては、データセンターに導入されたハードウェアをクラウド制御のエンコーダーとして再利用できます。既存の AWS Elemental Live L800 および L900 シリーズのアプライアンスをお持ちのお客様は、数ステップで MediaLive Anywhere に移行できます。

MediaLive Anywhere を使用し従量課金制に移行することで、リニアストリーミングの経済性も向上させることができます。運営しているチャンネルの料金だけを、実行する必要がある時間のみ支払うことで、24 時間 365 日のチャンネルやライブイベントをストリーミングする費用対効果を高めることができます。また、各ハードウェアデバイスで実行するチャネル数を柔軟に選択でき、十分に活用できない可能性のあるソフトウェアライセンスの購入に縛られることもありません。

PBS とその 330 を超える加盟局は、米国民に対する重要な使命を果たすため、商業放送とは一線を画した信頼できる番組を提供し、視聴者を単なる消費者ではなく市民として扱っています。MediaLive Anywhere により、PBS はローカル番組の取り込みと放送局のオンライン視聴者への配信を効率化すると同時に、リニアビデオストリームカタログ全体の運用管理をクラウドに統合できます。

Get started : MediaLive Anywhereを開始する

AWS Elemental MediaLive Anywhere は、AWS パートナーを通じて購入できる従量課金制のサービスとアプライアンスで構成されています。AWS では、お客様がすぐに利用できるよう、ハードウェアの組み立て、統合、テストを行うパートナーから MediaLive Anywhere のハードウェアを購入することを推奨しています。ハードウェアと AWS サービスの両方をパートナーを通じて購入することも、お客様の AWS アカウントを使用してサービスの支払いを行うこともできます。既存の AWS Elemental Live アプライアンスの変更や、代替ハードウェアのオプションを検討するには、営業担当者にお問い合わせください。

Bridge Digital Inc. の創設者兼 CEO である Richie Murray 氏は、「 MediaLive Anywhere の販売、統合、優先サポートを提供できることを嬉しく思います」と述べています。「 COTS ハードウェアと MediaLive を組み合わせることで、従量課金制のシーズンイベントに最適な堅牢なハイブリッドソリューションを実現します。AWS Elemental アプライアンスの販売経験が豊富なBridge Digital Inc. は、MediaLive Anywhere をお客様に提供できることを誇りに思っています。」

Insys Video Technologies の CEO、Krzysztof Bartkowski 氏は次のように述べています。「 Insys Video Technologies は、MediaLive Anywhere のローンチパートナーとしてハードウェアを提供し、お客様が Cloud Video Kit を通じてクラウドとオンプレミスのライブエンコーディングワークフローを管理できるようになることを嬉しく思います。当社のインテグレーションにより、お客様は複数のツールや個別のワークフローを実行する必要がなくなります。drm.cloud サービスによるコンテンツ保護を含む単一のツールを使用して、最適なリソース使用量を選択するだけです。」

LOGIC media solutions GmbH のマネージングディレクターである Jens Gnad 氏は、次のように述べています。「当社のソフトウェアポータルで AWS Elemental Live Anywhere を使用して AWS が導入した革新的なアプローチに貢献できることを光栄に思います。このハイブリッドソリューションは、クラウドへの移行を進めるお客様に当社が提供している推奨事項と完全に一致しています。ポータル は、アクセスが容易なブラウザベースのフロントエンドを提供しており、お客様のローカルインフラストラクチャ上で MediaLive Anywhere を導入、制御、監視できます。」

Now available : 今すぐご利用いただけます

AWS Elemental MediaLive Anywhere は、AWS Elemental MediaLive が利用できるすべての AWS リージョンで利用できます。

詳細については、AWS パートナーリセラーにお問い合わせいただくか、AWS ドキュメントの MediaLive Anywhere ユーザーガイドをご覧ください。

参考リンク

AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)

AWS のメディアチームの問い合わせ先:awsmedia@amazon.co.jp
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翻訳はメディアエッジスペシャリストソリューションアーキテクトの長澤、加藤、メディアソリューションアーキテクトの金目が担当しました。原文はこちらをご覧ください。