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フードデリバリーの普及により、レストランのデータインサイトに対するニーズが高まっている

これはカスタムデータ、アナリティクス、クラウドソリューションを専門とするAWS Select Tier Consulting PartnerであるWavicleからの指摘である。

“外食は楽しい” 数十年前の懐かしいキャッチフレーズを覚えている人も、そうでない人もいるかもしれません。21 世紀の現代では、このキャッチフレーズに続く言葉があります。”イートインは楽しい”です。自宅でも、オフィスでも、キャンパスでも、あるいはその間のどこかで、ますます多くの人が、オンラインやモバイルアプリで利用できる無数のフードデリバリーの選択肢を活用し、イートインを選ぶようになっているのです。

このメガトレンドは、高級レストランからクイックサービスまで、あらゆる規模のレストランに影響を及ぼしています。ですから、レストランがフードデリバリー業務の内部を覗いて、実際に何が起こっているかを確認するのは驚くことではありません。ここでは、私たちが学んでいること、そしてフードデリバリーのインテリジェンスが重要である理由を説明します。

急速に変化する食品配達の地形をマッピングする

今日、フードデリバリーは主流となり、その勢いは増しています。UBSの最近のレポートによると、フードデリバリーの売上は毎年 20%以上増加し、350 億ドルから 2030 年までに世界全体で  3650 億ドルに達する可能性があるとのことです。「 2030 年までには、現在家庭で調理されているほとんどの食事が代わりにオンラインで注文され、レストランやセントラルキッチンから配達されるというシナリオもあり得るでしょう」とUBSは述べています。

消費者の需要急増により、食品は様々な方法でキッチンから顧客へと提供されています。データプロバイダーのSecond Measureによると、 2018 年末にはアメリカの消費者の 20%、 2019 年末までにアメリカの消費者の 26%がDoorDash、GrubHub、Seamless、UberEatsなどのデリバリーサービスから食事を注文しました。しかし、Applebee’s、Chipotle Mexican Grill、Noodles & Co.など一部のレストランは、サードパーティのデリバリー会社を使わず、代わりに消費者が各社独自のデジタルプラットフォームから直接注文できる、ネイティブデリバリーサービスに投資することを選択しています。このような選択の背景には、顧客ロイヤルティの向上、食品の品質確保、ブランドエクスペリエンスの管理、コスト削減、データの所有権の維持などの意図があります。

また、デリバリーの選択肢は急速に増えてきています。多くの地域では、バーチャルレストラン(ゴーストキッチンやオフプレミスとも呼ばれる)が一般的になりつつあります。さらに都市部では、自律走行車や「デリバリー・ロボット」の登場も間近に迫っており、近い将来、ランチで注文したサンドイッチが自律走行車で運ばれてくる可能性もあります。

フードデリバリーは、急成長しているだけでなく、急速に進化していることは間違いありません。このことは、レストランのオーナー、経営者、マーケティング担当者にとってどのような意味を持つのでしょうか。その答えと洞察は、適切なデータ分析によって見出すことができます。

データから読み解く食のビジネス

全米レストラン協会の最新レポート、 2030 年までの外食産業に関する実用的な洞察では「宅配便の注文が急増しており、その顧客層にいかに対応するか、ビジネスモデルの転換が急速に進んでいる」と示されています。フードデリバリーのあらゆる変化と革新に対応するために、この報告書は「データが重要である」と宣言しています。

レストランのロケーションとフードデリバリー業者の組み合わせのパフォーマンスに関するリアルタイムの分析へのアクセスは、ますます競争が激化する市場では不可欠です。適切な分析が手元にあれば、レストランのオーナーやオペレーターは、配達時間などの重要な指標を継続的に改善することができ、その結果、すべての人にとって最も重要な成果である「幸せな食事」がもたらされます。

業界の統計によると、フードデリバリーによって、個々のレストランの売上は 10 ~ 20%増加することが分かっています。しかし、オペレーション上の問題により、すぐに需要を満たせなくなる可能性があります。包括的な分析が行われないと、レストランは適切な人員配置、適切な在庫、フードデリバリーに利用できる適切なメニュー、そして顧客のエクスペリエンスを最適化するための最良のフードデリバリーパートナーシップを持っている可能性が低くなります。また、第三者によるフードデリバリーのパフォーマンスを測定する能力がなければ、レストランは悪い評価、顧客の喪失、収益の損失によって悪影響を受ける可能性があります。

適切なデリバリー分析を提供することが、すべての違いを生む

現在、WavicleとAWSは、レストランオーナーにフードデリバリーデータを提供し、洞察、意思決定およびROI向上における時間を短縮するために協力しています。WavicleのActiveDeliver™は、POSなどの既存の企業データとサードパーティのフードデリバリーデータを組み合わせたフードデリバリーのダッシュボードインテリジェンスを提供し、主要な指標を追跡、測定、視覚化します。カスタマイズ可能なレポートには、売上指標、配送指標、顧客分析、食品配送料にまたがる主要業績評価指標(KPI)が表示されます。

ActiveDeliver™は、レストランのPOS、フードデリバリーのパートナー、ソーシャルコメント、顧客満足度データなど、複数のデータソースをAWSクラウド上に収集・保存します。AWS Lambda(イベント駆動型サーバーレスコンピューティングプラットフォーム)とAmazon Comprehend(機械学習を用いた自然言語処理サービス)を使用して、インサイトの発見、センチメント分析の実行、レストラン固有のテーマへの割り当てが可能です。データセットはAmazon Simple Storage Service(S3)に保存され、AWS Glueを活用してAmazon Redshiftのあらかじめ定義されたデータモデルにデータをロードし、AWS QuickSightsを介してエンドユーザーに配信されます。

例えば、あるレストランのジェネラルマネージャーが、全店舗または一部の店舗のフードデリバリーパートナーのパフォーマンスを評価したいと考えているとします。特に、以下のような評価指標を評価したいとします。

  • 注文が入ってから、宅配ドライバーがレストランに到着するまでにかかる時間
  • 食事の準備や包装にかかるドライバーの待機時間
  • お客さまに料理をお届けするまでの所要時間

ActiveDeliver™ では、ゼネラル・マネージャーが特定の注文に関するフードデリバリーデータ、ルートの平均、レストラン、フルフィルメント時間を簡単に閲覧でき、レストランの場所、フードデリバリーのパートナー、日付範囲、時間帯によってこれらの指標を「スライス&ダイス」することが可能です。ActiveDeliver™ は、新規および既存顧客の総売上高、マーケットバスケット分析、顧客満足度など、フードデリバリー顧客向けの分析機能も備えています。

 ActiveDeliver™ visualizations

クイックサービスレストラン店舗の1ヶ月間の主要指標をまとめたもの。配達と非配達(店内とドライブスルー)のすべて注文を時間、注文、配達パートナー、場所などによってセグメント化されたハイレベルなKPIで表示。ドリルダウンにより、全店舗または1店舗のみの可変属性表示が可能。

クイックサービスレストラン店舗の 1ヶ月間の主要指標をまとめたもの。配達と非配達(店内とドライブスルー)のすべての注文を時間、注文、デリバリー・パートナー、場所などによってセグメント化されたハイレベルなKPIで表示。ドリルダウンにより、全店舗または 1 店舗のみの可変属性表示が可能。

フードデリバリー・パートナー別の運営実績の概要

デリバリー・パートナー別の配送注文状況(配送予定、配送完了、返金された配送)を、訪問頻度や平均チェックサイズなどの顧客分析でまとめたもの。

事例:大手クイックサービスレストランがデータ分析を利用してフードデリバリーを最適化する方法

Wavicleは、 5 大陸 40 の市場に展開する世界最大級のクイックサービスレストラン(QSR)とパートナーシップを結びました。Wavicleのソリューションにより、QSRの経営者はマクロレベルの重要な分析にアクセスできるようになり、詳細まで掘り下げて特定の問題を解決し、フードデリバリーのパフォーマンスを最適化することができるようになりました。

このQSRでは、導入以来、フードデリバリーの注文が増え続け、現在ではデリバリーを行っている店舗では売上の 10%以上を占めるまでになりました。さらに、 1 取引あたりの平均ドル額は、フードデリバリーが非フードデリバリーよりも高くなっています。メトリクスにアクセスすることで、QSRはフードデリバリー業務のパフォーマンスを測定し、改善することができます。

あらゆるフードデリバリー事業のメニューにデータインテリジェンスを付加する

2030 年が近づくにつれ、「『レストラン』の定義が変わるだろう」と全米レストラン協会は予測しています。「デジタル社会と消費者の嗜好の進化により、顧客が望むものを、望むときに、望む場所で提供することを目的とした、さまざまなレストランモデルが生み出されています。カウンターサービス、フルサービス、テイクアウトやデリバリー、ミールキットなどを提供するハイブリッド型に変身するレストランも出てくるでしょう。」

食品産業が急速に発展する中、1つだけ確かなことは、レストランやフードサービスモデルに不可欠な要素として、フードデリバリーが今後も存在し続けるということです。つまり、ビジネス上の意思決定を導き、フードデリバリーを最適化するための有意義なリアルタイム・インテリジェンスに対する欲求は、今後も高まり続けるということです。

—著者について—

Duane Lyons:Wavicle Data Solutions レストラン分析プラクティスリーダー

Duane Lyonsは、フードバリューチェーンにおける企業のデータ分析に関する最も困難な課題の克服を支援することを専門としています。Wavicleは、従来のオンサイトシステム、クラウドアプリケーション、ソーシャルメディア、その他のソースから増大するデータを取得、分析、共有するカスタムソリューションで、組織にビジネス成果を提供します。データエンジニアリングとアーキテクチャの専門知識を人工知能や機械学習の概念と組み合わせることで、Wavicleは企業がコスト管理、売上増加、効率化のための新しい方法を想像できるようにします。Wavicleは、 2019 年にアメリカで最も急成長している民間企業のリストでInc. 500 企業として認定されています。

翻訳はソリューションアーキテクトの程が担当しました。原文はこちらです。