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【開催報告&資料公開】AWS メディア業界向け勉強会開催報告

2022 年 6 月 29 日(水)および 2022 年 12 月 8 日(木)に、メディア業界のお客様向けに AWS 勉強会を開催いたしました。両日共に放送局のお客様にご登壇いただき、 AWS の活用事例についてご紹介いただきました。登壇者の所属部署および肩書きは登壇当時のものとなります。

MBS におけるリアルタイム配信のクラウド活用例

株式会社毎日放送
コンテンツ戦略局 ITビジネス部
山本 貴裕 氏

地上波番組のリアルタイム配信や見逃し配信、それに伴う広告運用の仕組みについて、毎日放送からご説明をいただきました。本編素材は、Amazon S3 を経由して納品され、また広告素材についても、Amazon S3、AWS LambdaAmazon DynamoDB などを介して処理が行われます。また、Amazon Rekognition を用いた CM 位置の判定も行っており、AWS を用いてシステム改修や運用負荷を下げる試みを継続的に実施されています。

AWS IoT を用いたタリー伝送システム AirTally の開発と商品化

朝日放送テレビ株式会社
技術局 技術戦略部
荒木 優 氏

番組の制作現場には、出演者やカメラマンに今どのカメラが選択されているかを知らせる「タリー」と呼ばれるランプが必要です。しかしゴルフ中継などでは、これまでこの信号を送ることが難しく、音声による指示等で代替していました。この仕組みを LTE 回線と AWS IoT CoreAWS LambdaAWS Amplify などを用いてワイヤレス化/クラウド化したのが、この「AirTally」です。朝日放送テレビの日々の運用で使われているほか、外部向けに SaaS サービスとしても提供されています。

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クラウド IDATEN の開発 ~ AWS を活用した報道素材伝送の試み~

関西テレビ放送株式会社
技術推進本部 DX推進局、 DX戦略部 兼 制作技術局 制作技術統括局 制作技術センター 専門部長
栗山 和久 氏

「クラウドIDATEN」は、報道カメラマンが取材現場や拠点から素材を簡単に伝送できる仕組みです。従来の方式では伝送中、エンコーダ1台に対して1台のデコーダが必要になりますが、AWS 上に新たな機能を実装したことで、伝送した素材を複数の PC から同時にプレビューしたり、ダウンロードしたりすることが可能となりました。Web ブラウザ上で素材を再生する際には、AWS Elemental MediaConvert を用いて作成した軽量なプロキシ素材が使用されるため、環境や回線速度を気にすることなく、どこからでも素材の確認を行うことができます。

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ytv における AWS 活用事例

讀賣テレビ放送株式会社
デジタル戦略局 ICT開発部長
谷知 紀英 氏

讀賣テレビ放送では、様々なソリューションのクラウド化をテスト/検証されています。本勉強会では、番組「鳥人間コンテスト」の GPS 軌跡表示システムのクラウド化、クラウドスイッチャソフトウェアの vMix を用いたリモートプロダクション、番組メタデータソフトの AWS 上での構築、クラウド編集のトライアルなどについてご紹介いただきました。また、「セッティングが簡単になった」「配信競技数を増やすことができた」など、リモートプロダクションのメリットもご紹介いただきました。

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キー局ゴールデンもジャニーズでもドンと来い!視聴者プレゼント応募システム

東海テレビ放送株式会社
デジタルビジネス局 デジタルコンテンツ部 兼 編成局宣伝部 主査
瀧 祐作 氏

東海テレビ放送は、番組と連動した視聴者プレゼント応募システムを Amazon API GatewayAWS LambdaAmazon DynamoDB などのサーバレスアークテクチャを用いて構築されました。これにより、特別な設定をすることなく大量のアクセスに耐えうることが出来るようになっただけでなく、運用コストの大幅な低減も実現されています。また個人情報を扱うことから、AWS IAM を用いて限定的なアクセスのみを許可するなど、セキュリティ面にも細心の注意を払ったシステム設計となっています。

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3DCG レンダリングサーバーファームのクラウド移行

株式会社毎日放送
総合技術局 制作技術センター
市川 充史 氏

番組を制作する上で、CG の制作およびレンダリング作業を避けて通ることはできません。一方で、これらの作業をオンプレミス上で行うと、サーバの台数によるパフォーマンスの制約やハードウェア更新作業に対する作業負荷などの課題があります。毎日放送では、AWS Thinkbox Deadline を用いた CG レンダリング基盤を構築することで、これらの課題から脱却しました。スポットインスタンスを利用されることで、使用したい分だけリソースを確保することと、コストの低減とを両立しています。

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なぜ、中京テレビが AWS アカウント管理をしようと思ったか?

中京テレビ放送株式会社
技術推進局 ICT推進グループ
北折 政樹 氏

中京テレビ放送では、2016年頃から AWS の利用が始まり、近年では AWS を用いたアジャイル型の内製開発も手掛けられています。その一方で、AWS の利用が進むにつれて、設定ミスに対するリスク低減やセキュリティの強化等の課題をお持ちでした。そこで、AWS Control TowerAWS Budgets 等を活用した AWS アカウントの管理を開始し、最近ではこれに加えて、 AWS Security Hub を用いたセキュリティ/コンプライアンス情報の一元管理も推進されています。

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まとめ

メディア業界向け勉強会の開催概要をご紹介させていただきました。内容について詳しく知りたい方は、記事上部より資料のダウンロード及び動画を視聴いただけますのでご確認ください。引き続き業界の皆様に役立つ情報を、セミナーやブログで発信していきますので、どうぞよろしくお願い致します。

参考リンク
AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)

AWSのメディアチームの問い合わせ先: awsmedia@amazon.co.jp
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この記事は SA 小南英司が担当しました。