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AWSを活用して”選挙”を「再定義」する──「有権者教育」「情報へのアクセス・セキュリティ・拡張性」「不在者投票」

 先の見通せない不確実な時代であっても、選挙や政治に携わる関係者は、セキュアで拡張性があり、費用対効果の高い方法で──すなわちクラウドを活用し── 有権者にダイナミックに進化し続けるサービスを提供することに尽力しています。 AWSと AWS パートナーネットワーク (APN) の提供するクラウドベースのテクノロジーは、選挙管理を行う行政機関、選挙献金を扱う団体、そして投票へのエンゲージメントを高める活動を行うNPOのそれぞれが、1)選挙関連の情報共有や、2)アプリやサービス、インフラのセキュリティ向上、3)スケーラビリティの確保、4)不在者投票に特化したワークフロー管理のソリューション────に容易にアクセスできるよう、支援しています。

投票ブース

有権者教育と、必要な情報へのアクセス

選挙管理を行う行政機関は、直観的なオムニチャネルによる認知度向上とアウトリーチの取り組みにより、投票日・投票場所・投票方法の変更など、投票者に常に最新情報を迅速に伝達する必要があります。

AWS とそのパートナーは、こうしたミッションを担う組織・機関を支援しています。

  • 例えば、以下の手法で、有権者が容易にアクセス可能な最新の選挙情報を提供いたします。
    • Alexa 対応のデバイスやスキル (Alexa アプリを搭載したスマートフォンなど) による、州や郡レベルの選挙情報へのアクセス: ニューハンプシャー州が Alexa スキルを どのように展開して、今年100 周年を迎え、当時は米国”初”であった大統領”予備選挙”と 11 月に行われる本選挙に備えているかをご覧くさい。同様に、ウェストバージニア州務長官が独自の Alexa スキルを活用して、「有権者教育」と必要情報へのアクセシビリティを劇的にモダナイズした方法についても、ご確認ください。
    • 質問に回答してくれる「チャットボット」:投票者は自然言語による質問をしたり、関連性の高い回答を迅速に得ることができます。たとえば、有権者は「投票の登録をするにはどうすればいいですか?」、「どうすれば世論調査作業員になれますか?」、「不在者投票はできますか?」、「選挙の結果はどうなっていますか?」などの質問をすることができます。
  • Amazon Pinpointを使用して、マルチ・チャネル通信により不在者投票・国外投票者向けのメッセージを自動化して配信します。E メール・SMS テキストメッセージ・ボイスメッセージなどの多様な配信チャネルを活用します。最新のメッセージを迅速に送信し、強力なアナリティクス機能を使用して、有権者へのアウトリーチ・キャンペーンを監視および改善し続けることができます。
  • Amazon Connect を使用して瞬時にスケーラブルなクラウドベースの「コールセンター」を構築し、通話での情報収集を希望する有権者とのコミュニケーションを合理化することで、リソースの所有コストを低減した上でもなお、優れたサービスを実現することができます。

“セキュリティ”と”拡張性”の、高度な両立

連邦選挙委員会などの選挙を所掌する行政機関は、オンラインでの有権者登録、オンラインでの”不在者投票”のリクエスト、開票日当日の速報レポートの作成、選挙に関する情報を集約したe-bookの発行など、機密性の高いワークロードに対する予測不可能な”脅威”や”負荷要求”に絶えず対処していく必要があります。こうしたワークロードを、ロードアイランド州政府・州務省は AWS パートナーである KNOWiNK社を介して管理・運用しています。同様に、インディアナ州政府の州長官オフィスも AWS パートナーである FireEye社と協力し、2020年~2022 年の各種選挙を対象として40カ月間の契約を結び、インディアナ州が選挙に関わる技術インフラを潜在的な脅威から保護できるように支援しています

AWS および APN パートナーは、以下のように多様な手法を用いて、選挙を所管する行政組織を支援しています。

  • AWS Well Architected フレームワークを使用して、アプリケーションやインフラストラクチャのセキュリティ・信頼性・スケーラビリティを評価および改善することで、リスクが発生する”前”に脅威を軽減または低減することができます。
  • AWS Control Tower、および Amazon Guard DutyAWS Security Hub.などの主要なセキュリティ関連サービスとベストプラクティスを使用した「ガードレール」を通じて、新しい AWS マルチアカウント環境のあり方を実装します。
  • AWS Shield Advanced を使用して、分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃から選挙関連ウェブサイトおよびインフラを保護します。
  • AWS Infrastructure Event Management (IEM) を使用して、広義の選挙プロセス全体にわたって、重要な節目でのイベント開催に際して高度にアップグレードされたサポートを提供します。
  • AWS Security Incident Response Simulation (SIRS) を使用して、迅速なレスポンスが必須とされる演習を通じて、現実的な選挙セキュリティの脅威を再現・シミュレートすることが可能です。

選挙工程のマネジメントと、
不在者投票のリアルタイム追跡

選挙管理を所掌する行政組織は、有権者からの投票リクエスト、郵便投票用紙の配布、そしてその追跡など、エンド・トゥー・エンドでの不在者投票ワークフローのクリティカルな工程をモダナイズおよび最適化するべく、努めています。こうした取り組みを、AWS とそのパートナーは以下のように支援しています:

 


AWSは「Elections as a Service」の
コンセプトをクラウドで実現

AWS は、a) 選挙管理に関わる行政組織、b) 選挙献金を扱う団体や機構、c) 選挙に対する市民のエンゲージメントを高めるNPO組織──のそれぞれをサポートする準備が整っています。当社の技術者と対象分野のエキスパートのチームは、お客様と緊密に連絡を取り合い、重要な選挙プロセスをサポートするために、必要なソリューションとその分析をお届けすることができます。

併せて、AWSの選挙関連ビジネス部門のリーダーであるMichael Jacksonが担当する17分間のWebinar “選挙管理を行う機関・政治活動を行う団体・あるいは市民団体が AWS を使用して「投票者エクスペリエンス」を向上させる方法”をご覧ください。AWS の選挙ソリューション・その対象顧客・関連ユースケースの詳細や、 Fix This ポッドキャストのエピソード「More than voting…」も参照いただき、ご不明の点は Elections2020@Amazon.comまでお問い合わせください。

さらに詳細な情報については、特設サイト:選挙キャンペーンにおいても活用されるAWS (Elections on AWS)をぜひご覧ください。また、公共部門より定期的に配信している Fix This ポッドキャスト/ Spotify のエピソード #23 (”National voter registration day”)のチェックもおススメです(リンクはこちら)。

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このブログは、 AWS Public Sector Blog Teamによる英語原文のBlog投稿をもとに、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 パブリックセクター 統括本部長補佐(公共調達渉外担当)の小木郁夫が翻訳・日本語読者向けに”Read More”部分の加筆を担当しました。

今後ともAWS 公共部門ブログ(英語版)で AWS の最新ニュース・公共事例をフォローいただき、併せまして、日本の公共部門のメンバーが執筆した過去の投稿(日本語)に関しても、ぜひご覧いただければ幸いです。