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新機能 – AWS Graviton3 プロセッサを搭載した Amazon EC2 C7g インスタンス

昨年の re:Invent 以降にプレビューで利用可能だった最新の AWS Graviton3 プロセッサを搭載した Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) C7g インスタンスが、すべてのお客様にご利用いただけるようになりました。

C7g という名前を分解してみましょう。「C」インスタンスファミリーは、コンピューティングを多用するワークロード向けに設計されています。これは、このインスタンスファミリーの第 7 世代です。そして「g」は、AWS によって設計されたシリコンである AWS Graviton に基づいていることを意味します。これらのインスタンスは、最新世代の AWS Graviton である Graviton3 プロセッサを搭載した最初のインスタンスです。

より多様なワークロードをクラウドで実行し、コンピューティング、ストレージ、およびネットワークの需要が急速に増加するにつれて、お客様からは、クラウドへの移行を加速してコストを最適化できるように、コストパフォーマンスの境界をさらに押し広げるよう求めるお声をいただいています。お客様はさらに、カーボンフットプリントを削減し、持続可能性の目標を達成するのに役立つ、よりエネルギー効率の高いコンピューティングオプションをお求めです。当社では、お客様のリクエストから逆算して考え、AWS インフラストラクチャのあらゆるレベルにおいて迅速なペースでイノベーションを起こすことによってこれを実現します。当社の Graviton チップは、より優れた性能と強化された機能を低コストで提供します。例えば、AWS Graviton3 プロセッサは、常時オンのメモリ暗号化、すべての vCPU の専用キャッシュ、およびポインター認証のサポートにより、セキュリティを強化します。

これを数字で説明しましょう。Graviton2 ベースのインスタンスがリリースされた際、これらのインスタンスは、同等の第 5 世代 x86 ベースのインスタンスと比較して、さまざまなワークロードのために最大 40% 優れたコストパフォーマンスを提供しました。現在、AWS Graviton2 プロセッサを搭載した 12 のインスタンスファミリー (M6g、M6gd、C6g、C6gd、C6gn、R6g、R6gd、T4g、X2gd、Im4gn、Is4gen、G5g) があり、さまざまなワークロードのために優れたコストパフォーマンスを通じて大きなメリットを提供しています。2021 年には、何万もの AWS のお客様が、Graviton2 ベースの EC2 インスタンスを使用してこのイノベーションを活用していることがわかりました。

当社の次世代 Graviton3 プロセッサは、Graviton2 プロセッサと比較して、最先端の DDR5 メモリテクノロジーに基づいて、最大 25 % 高いパフォーマンス、最大 2 倍の浮動小数点パフォーマンス、50% 高速なメモリアクセスを実現します。

また、Graviton3 は、同等の EC2 インスタンスと同じパフォーマンスのために消費するエネルギーを最大 60% 抑えるため、カーボンフットプリントの削減に役立ちます。

Snapchat や Bitmoji などの人気のソーシャルメディアサービスで知られている Snap Inc は、Amazon EC2 でのコストパフォーマンスを最適化するために AWS Graviton2 ベースのインスタンスを採用しました。Snap のソフトウェアエンジニアである Aaron Sheldon 氏は次のように述べています。「新しい AWS Graviton3 ベースの Amazon EC2 C7g インスタンスを試したところ、前世代の C6g インスタンスと比較して、実際のワークロードでパフォーマンスが大幅に向上することがわかりました。メッセージング、ストレージ、フレンドグラフのワークロードを含め、Graviton2 ベースのワークロードを Graviton3 に移行できることを楽しみにしています」

C7g インスタンスは、1、2、4、8、16、32、48、64 の 8 つの vCPU サイズでご利用いただけます。C7g インスタンスは、最大 128 GiB のメモリ、30 Gbps のネットワークパフォーマンス、および 20 Gbps の Amazon Elastic Block Store (EBS) パフォーマンスの設定をサポートします。これらのインスタンスは、専用ハードウェアと軽量ハイパーバイザーの組み合わせである AWS Nitro System を利用しています。

次の表は、このファミリーの各インスタンスタイプの主な特徴をまとめたものです。

インスタンス名 vCPU
メモリ
ネットワーク帯域幅
EBS 帯域幅
c7g.medium 1 2 GiB 最大 12.5 Gbps 最大 10 Gbps
c7g.large 2 4 GiB 最大 12.5 Gbps 最大 10 Gbps
c7g.xlarge 4 8 GiB 最大 12.5 Gbps 最大 10 Gbps
c7g.2xlarge 8 16 GiB 最大 15 Gbps 最大 10 Gbps
c7g.4xlarge 16 32 GiB 最大 15 Gbps 最大 10 Gbps
c7g.8xlarge 32 64 GiB 15 Gbps 10 Gbps
c7g.12xlarge 48 96 GiB 22.5 Gbps 15 Gbps
c7g.16xlarge 64 128 GiB 30 Gbps 20 Gbps

C7g インスタンスは、最初は米国東部 (バージニア北部) と米国西部 (オレゴン) の AWS リージョンでご利用いただけます。その他のリージョンはリリース後まもなく追加されます。

通常どおり、C7g 容量をオンデマンドで、リザーブドインスタンスとして、またはスポットインスタンスとして購入し、Saving Plans をご利用いただけます。料金の詳細については、EC2 の料金ページをご覧ください。

私は、日々 AWS のお客様と話す機会があり、そのトピックの多くは、コストパフォーマンスとお客様のワークロードの持続可能性に関するものです。500 種類を超える数のインスタンスタイプから選択できるため、「C7g の恩恵を受けることができるワークロードにはどのようなものがありますか?」という質問をいただくことがよくあります。

C7g インスタンスは、アプリケーションサーバー、マイクロサービス、ハイパフォーマンスコンピューティング、電子設計オートメーション、ゲーム、メディアエンコーディング、CPU ベースの機械学習推論など、幅広いコンピューティングを多用するワークロードのために、インスタンスファミリー内で最高のコストパフォーマンスを提供します。これらのインスタンスは、Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS)Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)Amazon Elastic Container Registry、Kubernetes、および Docker を使用して構築され、C/C++、Rust、Go、Java、Python、.NET Core、Node.js、Ruby、PHP などの一般的なプログラミング言語で記述された、コンテナ化されたマイクロサービスベースのアプリケーションを含む、すべての Linux ベースのワークロードに最適です。

また、Graviton インスタンスが Arm アーキテクチャに基づいていることを踏まえて、x86 からの移行がどれくらい困難であるかという質問を受けることもあります。

Graviton3 インスタンスは、幅広いオペレーティングシステム、独立系ソフトウェアベンダー、コンテナサービス、エージェント、およびデベロッパーツールによってサポートされており、最小限の労力でワークロードを移行することが可能です。

Python、Node.js、Ruby、Java、PHP などの高水準のプログラミング言語で記述されたアプリケーションとスクリプトでは、通常必要となるのは再デプロイのみです。C/C++、Rust、Go などの低水準のプログラミング言語で記述されたアプリケーションでは、再コンパイルが必要です。

ただし、アプリケーションを常に移行する必要があるわけではありません。Amazon ElastiCacheAmazon EKSAmazon ECSAmazon Relational Database Service (RDS)Amazon EMRAmazon AuroraAmazon OpenSearch Service など、いくつかのマネージドサービスは既に Graviton ベースであり、お客様のアプリケーションは最小限の労力で Graviton の恩恵を受けることができる場合があります。最近、フランスのお客様から、独自の Terraform スクリプトを 1 行変更するだけで Amazon EMR クラスターのかなりの部分を Graviton に移行でき、残りはすべて現状のままで機能した旨を伺いました。

サーバーレスで構築しているお客様のために、AWS Fargate および AWS Lambda 向けの Graviton サポートもリリースし、Graviton の料金、効率性、およびパフォーマンスのメリットをサーバーレスワークロードまで拡張しました。Graviton2 を使用する Lambda 関数では、コストパフォーマンスが最大 34% 向上します。

組織のカーボンフットプリントを削減することも極めて重要です。クラウドベースのワークロードのカーボンフットプリントを削減することは、お客様と当社の間における共有責任です。当社は、あらゆるレベルでイノベーションを起こすことで当社の役割を果たしています。その内容は、施設の建設に使用される材料、冷却のための水の使用再生可能エネルギーの生産から、よりエネルギー効率の高い新しいシリコンの発明まで広がっています。お客様が独自の持続可能性の目標を達成するのにお役立ていただくため、AWS Well-Architected フレームワークに持続可能性の柱を追加し、Customer Carbon Footprint ツールをリリースしました。Graviton3 は、これらの背景事情に整合的です。同等の EC2 インスタンスと同じパフォーマンスのために使用されるエネルギーを最大 60% 削減します。

当社はこの共有責任モデルで自らの役割を果たしています。次はお客様の番です。当社のイノベーションとツールを使用して、ワークロードを最適化し、必要なリソースのみを使用するようにできます。この機会に、より少ない CPU サイクル、より少ないストレージ、またはより少ないネットワーク帯域幅を使用する、より洗練されたコードを記述しましょう。また、コードをデプロイする際には、Graviton3 ベースのインスタンスタイプやマネージドサービスなど、エネルギー効率の高いオプションを選択するようにしてください。

お客様のアプリケーションの Graviton インスタンスタイプへの移行をすぐに開始していただけるよう、当社で厳選して、この技術リソースのリストをご用意しました。ぜひご覧ください。Graviton ベースのインスタンスの詳細については、Graviton ページまたは C7g ページにアクセスして、次の動画をご覧ください。

(AWS Graviton3 を搭載した Amazon EC2 C7g インスタンスの発表 (完全版の動画) | アマゾン ウェブ サービス)

Graviton ベースのインスタンスを無料で開始したいお客様のために、今年末 (2022 年 12 月 31 日) まで T4g.small インスタンスの最大 750 時間/月の無料トライアルも再度ご用意しました。

さあ、構築しましょう ;-)

— seb

原文はこちらです。