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AWS Compute Optimizer の新機能 – コスト削減の機会とパフォーマンスのリスクを見積もるためのリソース効率に関するメトリクス
AWS Compute Optimizer は、クラウドでさまざまなワークロードを実行してきた Amazon の経験から得られた知識を応用することで、ワークロードパターンを特定し、最適な AWS リソースを推奨します。
2021 年 11 月 29 日(米国時間)、AWS Compute Optimizer が、お客様が AWS リソースをどれだけ効率的に使用しているかを評価するのに役立つレコメンデーションとともに、リソース効率に関するメトリクスを提供するようになったことをお知らせします。
- ダッシュボードには、アカウントレベルでのコスト削減とパフォーマンス改善の機会が表示されます。ダッシュボードから、リソースタイプや個々のリソースの詳細を知ることができます。
- [Estimated monthly savings (On-Demand)] (推定月間削減額 (オンデマンド)) 列と [Savings opportunity (%)] (コスト削減の機会 (%)) 列には、過剰にプロビジョンされたリソースについて削減できる可能性のある金額の見積りが表示されます。これらの 2 つの列を使用してレコメンデーションを並べ替えると、最適化のための労力を集中的に割り当てるべきリソースを迅速に見つけることができます。
- [Current Performance risk] (現在のパフォーマンスのリスク) 列には、プロビジョン不足のリソースについて、現在の設定でボトルネックとなる推定リスクが表示されます。
これらの効率性メトリクスは、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)、AWS Lambda、および Amazon Elastic Block Store (EBS) で、リソースレベルと AWS アカウントレベルでご利用いただけます。
マルチアカウント環境においては、Compute Optimizer は、AWS 組織の個々のアカウントレベルでリソース効率に関するメトリクスを継続的に計算し、コスト効率が低いチームやパフォーマンスリスクが存在している可能性のあるチームを特定するのに役立ちます。これにより、目標を作成し、進捗状況を時間の経過に合わせて追跡できます。チームとアプリケーションのリソース効率がどれほど高いかを迅速に理解できるだけでなく、エンジニアリングチームによるレコメンデーションの評価と採用の優先順位を容易に設定したり、エンジニアリングチーム全体でコスト意識の高い文化と説明責任を推進するメカニズムを確立したりできます。
AWS Compute Optimizer でのリソース効率に関するメトリクスの使用
AWS マネジメントコンソールまたは AWS Command Line Interface (CLI) を使用してオプトインし、Compute Optimizer の使用を開始できます。現在サインインしているアカウント、または組織内のすべてのアカウントを登録できます。Compute Optimizer は、選択に応じて、個人アカウント内のリソース、または組織内の各アカウント用のリソースを分析し、それらのリソースについての最適化のレコメンデーションを生成します。
Compute Optimizer でコスト削減の機会を確認するには、AWS Cost Explorer にもオプトインし、AWS Cost Explorer の詳細設定のページで適切なサイズ設定に関するレコメンデーションを有効にする必要があります。詳細については、適切なサイズ設定に関するレコメンデーションの開始方法をご覧ください。
私の登録は少し前に完了しており、Compute Optimizer コンソールには、アカウントの全体的なコスト削減の機会が表示されています。
その下に、パフォーマンス改善の機会の要約が表示されています。これには、プロビジョン不足のリソースの概要と、リソースタイプに起因するパフォーマンス上のリスクが含まれます。
これらのコスト削減のいくつかについて詳しく見ていきましょう。[EC2 instances] (EC2 インスタンス) セクションには、Compute Optimizer が 37 個の過剰にプロビジョンされたインスタンスを検出したことが表示されています。
37 個のインスタンスのリンクをたどってこれらのリソースのレコメンデーションを取得し、[Estimated monthly savings (On-Demand)] (推定月間削減額 (オンデマンド)) (降順) で表を並べ替えます。
同じ表の右側では、現在のインスタンスタイプ、Computer Optimizer の見積りに基づく推奨インスタンスタイプ、料金の差額、現在のインスタンスタイプと推奨インスタンスタイプでプラットフォームの違いがあるかどうかを確認できます。
各インスタンスを選択して、収集されたメトリクスや、Computer Optimizer が提案する他のインスタンスタイプの可能性をさらに詳しく確認できます。
Compute Optimizer の [Dashboard] (ダッシュボード) の [Lambda functions] (Lambda 関数) セクションに戻ると、8 つの関数のメモリがプロビジョン不足であることがわかります。
ここでも、8 つの関数のリンクをたどってこれらのリソースのレコメンデーションを取得し、[Current performance risk] (現在のパフォーマンスのリスク) で表を並べ替えます。私の事例では低リスクばかりですが、値が異なる場合は対応事項に優先順位を付けるのに役立ちます。
ここでは、これらの Lambda 関数についての現在の設定メモリと推奨設定メモリを確認できます。各関数を選択して、収集されたメトリクスのビューを取得できます。Lambda 関数に割り当てられるメモリの選択は、速度 (所要時間) とコストのバランスを取る最適化プロセスです。詳細については、ドキュメントの Profiling functions with AWS Lambda Power Tuning をご覧ください。
利用可能なリージョンと料金
リソース効率に関するメトリクスは、AWS Compute Optimizer が提供されている任意の AWS リージョンでご利用いただけます。詳細については、AWS リージョン別のサービス表をご覧ください。この新機能には追加料金はかかりません。詳細については、AWS Compute Optimizer の料金のページをご覧ください。
この新機能を使用することで、以下のように定期的なワークフローを実装してコストを最適化できます。
- 最初に、すべてのアカウントのコスト削減の機会を見直し、コスト削減の機会が最も大きいアカウントを特定できます。
- その後、コスト削減の機会が最も大きいアカウントをより詳しく確認できます。推定月間削減額を参照して、絶対的なコストに対して最大の影響をもたらし得るレコメンデーションを確認できます。
- 最後に、これらのアカウントを使用しているチームに、最適化の機会と優先順位を伝えることができます。
AWS Compute Optimizer の使用を今すぐ開始し、お客様の AWS アカウントまたは組織におけるコスト削減の機会を見つけて優先順位を付けましょう。
– Danilo
原文はこちらです。