Amazon Web Services ブログ

Anywhere Real Estate が AWS を利用して物件の検索、マーケティング、取引体験をモダナイズしている方法

不動産仲介業者や代理店にとって、優れた不動産リスティングを行うには優れたマーケティングが必要です。 Anywhere Real Estate の Listing Concierge アプリケーションはこのニーズを満たし、リスティング促進のための直感的なツールセットを提供します。このアプリは、国内所有権管理、決済、企業移転、全国規模の住宅ローンの作成・引受に関するジョイントベンチャーなどを提供する大手住宅不動産サービスプロバイダーが開発しました。 Listing Concierge アプリケーションを設計するに当たり、Anywhere は顧客体験と拡張性に重点を置いており、そのために Amazon Web Services ( AWS ) を活用しています。

「私たちは今、大きな変革の中におり、リスティングの作成とマーケティング、資金・所有権の移転支援、クロージングに至るまで、あらゆる不動産体験を切れ目なくするために取り組んでいます。AWS は私たちの取り組みを加速させてくれます」と、 Anywhere のテクノロジーバイスプレジデントである Brian Hanks 氏は語ります。「分散型のビジネスロジックから、 AWS のサーバーレス技術を活用した単一のプラットフォームに移行することで、新しいツールをより迅速に構築できます。また、データセンターの仮想インスタンスでは不可能だったレガシーアプリケーションのリフトアンドシフトも可能です。」Anywhere のインフラストラクチャは、 AWS LambdaAWS Fargate などのサーバーレスソリューションに加えて、 Amazon Elastic Container Service ( ECS ) , Amazon CloudFront , Amazon Route 53 , Amazon Simple Queue Service ( SQS ) , Amazon ElastiCache , Amazon Simple Storage Service ( Amazon S3 )、 Okta とアクセス管理プラットフォーム、およびサードパーティ製品で構成されています。

クラウド転換計画

Anywhere がクラウドへの移行を検討し始めるにあたり、同社のチームは利用可能なクラウドサービスに基づいて PoC ワークフローを開発しました。性能、拡張性、クラウド知識を持つ人材へのアクセス容易性が重要な考慮事項でした。また、チームは新しいアプリやアップデートの市場投入までの時間を短縮する必要もありました。こうした点において AWS は明らかに優れていました。

「AWS では全てがスクリプト化されているため、機能がビルドされてデプロイされるまでの間に発生する待ち時間をなくすことができます。」と Hanks 氏は言います。「私達は他のほとんどの不動産会社よりも多くのエージェントと連携しているため、拡張性が不可欠です。AWS のテクノロジーは、新しいユーザーへの対応、AI のような新しい技術の活用、Listing Concierge のようなアプリの迅速なリリースなど、プラットフォームを拡張・進化させるための柔軟性を提供しました。」

クラウド上での最高の不動産マーケティングツールを構想する

同社の Listing Concierge アプリは AWS を活用しクラウドネイティブかつサーバーレスに構築された、ウェブサイト、オンラインビデオ、パンフレットなどの不動産マーケティング資料の作成と配布を促進する多用途不動産マーケティングツールです。ユーザーはアプリにアクセスし、必要なサービス(写真、印刷広告、ウェブサイトなど)を選択し、支払いや掲載情報を送信します。その後、コーディネーターがパッケージを処理し、エージェントの承認を得るための資料を作成し、承認されると資料は発送されます。

これまで、Anywhere は複数のサードパーティソリューションを組み合わせてそれぞれのニーズに対応してきました。しかし、AWS のサーバーレスアーキテクチャとマイクロサービスを使用することで、これらすべての機能をサードパーティ製品と統合した 1 つのアプリケーションとすることができました。サードパーティ製品には支払い、通知、パンフレット等マーケティング資料の処理が含まれます。これにより、作業調整の時間を数週間から数時間に短縮しながらコストを節約できました。

AWS とチームのサーバーレスアプローチの功績を称えて、 Hanks 氏は次のように語っています。「当初はコンテナ、つまり仮想環境でアプリケーションを構築していましたが、現在ではその半分を AWS Lambda を使用するサーバーレス機能に置き換えて成果を上げています。私たちは自動化をさらに進めることで、ユーザーニーズに基づいたアプリケーションの機能調整が可能になり、ユーザー規模の拡大による性能問題にも対処できるようになりました。これは大きな成功です。エージェントはマーケティング資料の注文作業が大幅に快適になり、買い手と売り手はより良い資料をより早く入手できるようになりました。取引の迅速化に役立っています。」

Anywhere はコンテナからサーバーレスインフラへ移行を進むにつれて、複雑な画像処理ニーズへの対応が簡単だと気づきました。Listing Concierge は数十万人のユーザーに利用されているため、何百もの高解像度のリスティング写真が並行してアップロードされる可能性があります。8K でアップロードされた写真は、トリミング、構造化などの修正を加えて加工し、異なるサイズで再出力する必要があります。AWS の導入により、アプリケーションはニーズに合わせてスケーリングされ、写真ごとに個別の AWS Lambda が起動するようになりました。

「AWS Lambda は Listing Concierge が必要とするパフォーマンスを提供し、アップロードの課題を軽減します」と Hanks 氏は言います。「これまで1,500 件の画像アップロードを同時に処理しているのを確認しましたが、以前は、エージェントが個々の写真のアップロードを待たなければならなかったでしょう。今では、すべての写真を同時にアップロードし、Amazon S3 や AWS Lambda に直接送信して処理できるようになりました。美しいです。」

継続的イノベーションへの取り組み

Anywhere は完全なクラウドベースの不動産テクノロジープラットフォームへのモダナイゼーションの途中にいますが、イノベーションを止めるつもりはありません。Anywhere のテクノロジー担当シニアバイスプレジデントである Damian Ng 氏は、「 AWS の最も優れた点の 1 つは、継続的に進化しており、新しい機能を活用してエージェント、ブローカー、消費者へのサービスを強化できることです」と述べています。

「 AWS チームは、テクノロジーの進歩に伴い、チームの学習、進化、改善を支援するというコミットメントを示し続けています。これは驚くべきことです」と Ng 氏は付け加えます。「 AWS との提携により、世界クラスの不動産技術組織への変革が加速します。」

Anywhere に関する詳細は https://www.anywhere.re/ をご覧ください。

本ブログはソリューションアーキテクトの奈良 一希が翻訳しました。原文はこちら

著者

Emily McKinzie

Emily McKinzie は、アマゾン ウェブ サービスの業界マーケティングマネージャーです。