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SAP on AWS: 2020年振返り

はじめに

2020年を振り返ると、どれだけ信じがたい出来事が起きたかということを認めなくてはなりません。全世界的にCOVID-19やその他の世界の出来事によって私たちの生活様式が変化し、多くの人々にとって困難なものとなりました。このパンデミックにより、企業は顧客や従業員のニーズを満たすために、ほぼ即座に運用上の変更を余儀なくされました。また、多くの企業がクラウドサービスの利用を始めました。

この数週間にわたり、毎年恒例のre:Inventカンファレンスの一環として、私たちは多くのお客様からの声を聞く機会がありました。その数社はSAPトランスフォーメーションのストーリーを世界へ共有するためのバーチャルステージを行いました。:

  • ニューモントは、ゴールド産業史上最大の買収であるGoldcorpの買収をいかに容易にできるかを示しました。この買収には、3つの異なるデータセンターにまたがるSAP ECCシステムをAWSに統合し、SAP HANAへの移行が含まれています。それはSAP S/4HANAジャーニーの重要なマイルストーンです。
  • Bristol Myers Squibは、マルチサイトのグローバルSAP ECCシステムからAWSでのSAP S/4HANAへの転換により、GxPコンプライアンスを劇的に簡素化し、SAP管理コストを大幅に削減できることを実証しました。同社のSAP S/4HANAシステムは、医薬品ライフサイクル全体にわたって主要なビジネスプロセスをサポートし、ソリューションをより迅速に市場に提供することを可能にします。
  • Phillips 66は、AWSで行われているERPトランスフォーメーションについて洞察を得ました。これにはグリーンフィールドのSAP S/4HANAシステムが含まれます。この新しいシステムにより、業界標準の導入、サイロ化されたデータの統合、中核プロセスの合理化と自動化、必然的な変化に対する将来的な対応が可能になります。
  • Zalandoは、SAP S/4HANAと36のAWSサービスを組み合わせて、カスタマーエクスペリエンスを完全に刷新した方法を説明しました。これには、Amazon Lexを通じたチャットボットの使用による購入者の問い合わせへの自動対応、Amazon Rekognitionを使用した自動画像認識による請求書処理の高速化が含まれます。これにより、年間最大9000万件の注文を出荷できます。
  • そして1月14日に、フォルクスワーゲングループは、AWSプロフェッショナルサービスのグローバルSAP専門プラクティスと連携し、SAPシステムをデジタルプロダクションプラットフォームと統合する方法をお伝えします。これはAWSベースのソリューションであり、フォルクスワーゲンの124工場拠点全体でのデータエクスチェンジを標準化し簡素化します。

これらのお客様は、数社の例ではありますが、数千のお客様がSAPシステムを革新できるプラットフォームとしてAWSを信頼して選択されています。そして、大きく成長しているお客様コミュニティによるフィードバックが、この分野におけるAWSの継続的なイノベーションを促進しています。

先日、ISGは 2020 Provider Lens™ Quadrant Report for SAP HANA Infrastructure Servicesを公開し、AWSを3年連続でリーダーに選んでいます。このレポートでは、お客様から得られるフィードバックに密接に整合する少数の領域が強調されました。それは、AWSではお客様がSAPジャーニーをどのようにナビゲートするかを選択できること、AWSのお客様がSAPワークロードをデプロイして管理するのはどれくらい容易か、SAPにおける継続的なリーダーシップインフラストラクチャスペースを提供していること、という点です。今年、ISGの調査結果と、これらの各分野で取り組んだ事柄について、もう少し時間を割きたいと思います。

主なハイライト:2020 ISG Provider Lens™ Quadrant Report for SAP HANA Infrastructure Services

Infrastructure Leadership

「AWSは、SAP HANAワークロードをプラットフォーム上でホストする幅広いサービスで市場を支配しています。また、AWSはパートナーの数が最も多く、専門的なSAPコンピテンシー認定プログラムもあります。」— 2020 ISG Provider Lens™ Quadrant Report for SAP HANA Infrastructure Services

2011年よりSAPワークロード向けのインフラストラクチャを構築してきました。AWSはSAP認定Amazon EC2インスタンスタイプを幅広く提供しており、1つのEC2インスタンスで256GBから24TBのメモリを搭載しています。また、スケールアウトオプションを活用して、SAP S/4HANAを最大48TBのメモリと最大100TBのSAP BW/4HANAを実行することもできます。さらに、ハイメモリインスタンスを含む最新世代のSAP認定インスタンスでは、AWS Nitroシステムを使用しています。従来、ハイパーバイザはCPU、ストレージ、ネットワーク機能を仮想化していました。Nitroシステムを使用すると、これらの機能を専用のハードウェアカードにオフロードし、実質的にサーバーのすべてのリソースをインスタンスに配分することができます。

ISGがインフラストラクチャをSAPワークロードの主要な強みとして認めたことに加え、Gartnerは、2020 Magic Quadrant for Cloud Infrastructure and Platform Servicesで10年連続でリーダーとしてAWSを挙げました。その結果、AWSは「実行能力」において最も高く、「ビジョンの完成度」も最も高い順位を獲得しました。信頼性とパフォーマンスなど、より広範なクラウドインフラストラクチャ機能における当社の継続的なリーダーシップは、SAPのお客様にミッションクリティカルなランドスケープ(例えばSiemens Smart Infrastructure)をサポートできるという確信を得ています。Siemens Smart Infrastructureは、最近、大規模な製造・オペレーションをサポートするSAPランドスケープの優先クラウドプロバイダーとしてAWSを選択しました。

また、お客様はからはSAP認定サービスをさらに進めるよう声を頂いていました。5月に、ハイメモリインスタンスをアップデートし、ストレージおよびネットワーク帯域幅の拡大を実現しました。各インスタンスは最大38Gbpsの専用ストレージ帯域幅と100Gbpsのネットワーク帯域幅を提供します。お客様は、追加費用なしでこの機能を利用することができます。

直近では、SAPワークロード用のAmazon EBS io2ボリュームAmazon EC2 R5bインスタンスを発表、認定を取得しました。Amazon EBS io2ボリュームは、99.999%の耐久性(100倍向上)、最大IOPS:GBは500:1(10倍向上)を提供します。これらのボリュームは、ストレージボリュームの障害の可能性をさらに減らし、ストレージに依存せずにスループットを拡張できるため、過プロビジョニングをすることなく、要求の厳しいワークロードのニーズを満たすことができます。Amazon EC2 R5bインスタンスは、Amazon EC2インスタンスタイプの中で最速のブロックストレージパフォーマンスを提供し、インスタンスあたり最大60GbpsのEBS帯域幅と最大260K IOPSを実現します。SAP on Oracle、DB2、SQL Serverなどのストレージパフォーマンス重視のワークロードを運用しているお客様は、R5からR5bに移行して、既存のワークロードをより少ない数または小規模なインスタンスに統合できます。これにより、これらのインスタンスで動作するインフラストラクチャとライセンスされた商用ソフトウェアの両方のコストを削減できます。

より多くの選択肢

「AWSは11年以上にわたり、SAPシステムをクラウドで提供してきました。そして、多くのSAPサービスと堅牢なサポートパートナーネットワークを提供しています。AWSでは、10リージョンで利用できるSAP Cloud Platformを含む、複数のSAPソリューションをホストしています。暗号化を含む、Amazon S3リージョンのSAPデータのバックアップとアーカイブには、多くのツールが使用できます。」— 2020 ISG Provider Lens™ Quadrant Report for SAP HANA Infrastructure Services

2011年にSAPのサポートを開始して以来、お客様から聞いたこととしては、お客様が技術的に一つの方法を強制されたくないということです。お客様には、SAPクラウドへの移行に合わせて選択肢と柔軟性が求められています。多くのお客様は、SAPに関する長期計画を評価していますが、これは革新を停止し、運用効率を向上させる理由ではないことを理解しています。このため、これらのお客様の多くは、既存のSAPシステムをAWSにリフト&シフトし、ほぼ即時のコスト削減と管理の簡素化を実現しています。これにより、お客様はコアビジネスシステムに関するイノベーションにすばやく集中することができます。このアプローチにより、S/4HANAのビジネスケースを引き続き評価し、既存のSAPへの投資で新たなビジネス機能を推進することができます。Invistaは、そのようなお客様の一つの優れた例です。ECCをコアのERPシステムとして活用し続け、AWSサービスで運用をモダナイズして、新しい製造能力を獲得しています。これにより、データサイロを橋渡しし、AWS AIサービスでAmazon Rekognitionを使用して、製造ライン上の欠陥部品を自動的に検出するといった高度な機能を得ることができます。

2020年に引き続きSAP on AWSパートナーコミュニティに投資しました。このコミュニティは、移行サポート、マネージドサービス、およびビヨンドインフラストラクチャに進みたいお客様向けに設計されたソフトウェアソリューションを提供することで、お客様に提供する選択肢を補完します。また、Migration Acceleration ProgramにSAPを追加しました。このプログラムでは、SAP on AWS Migration Factoryを作成したパートナーとの契約をサポートするためのファンドを提供しています。

導入管理支援

「AWS Launch Wizardでは、AWSリソースのサイズ、設定、デプロイをガイドする方法をお勧めします。プロビジョニングとデプロイの実行全体は、個々のAWSリソースを手動で識別してプロビジョニングする必要はありません。AWS Launch Wizardでは、導入コストの見積もりも提供され、お客様はリソースを変更して、更新されたコスト評価を即座に確認できます。」— 2020 ISG Provider Lens™ Quadrant Report for SAP HANA Infrastructure Services

すべてのタイプのSAPのお客様から聞いたフィードバックのもう一つは、AWSへの移行は、インフラストラクチャのデプロイと管理に費やす時間を減らしたいという願望があるというものでした。実際、デプロイの簡素化は、2008年からAWSを活用していたSAP自身にとって大きな要因でした。このため、SAPのお客様がより価値の高いアクティビティに集中できるよう、自動化と運用ツールに引き続き注力してきました。この旅の主要なマイルストーンの1つは、2014年にのSAP on AWSクイックスタートのリリースでした。2020年は、AWS Backint AgentAWS Launch Wizard for SAPをリリースし、これらの取り組みさらに強化しました。

4月、AWS Launch WizardによるSAPワークロードのサポートの一般提供を発表しました。AWS Launch Wizardでは、SAPアプリケーションの要件を入力できるガイド付きエクスペリエンスが提供されます。その後、適切なサイズのAWSリソースとコスト見積もりを自動的に推奨し、SAPワークロード用の本番環境を2時間未満でデプロイ出来るようになりました。リリース以来、Launch Wizardは引き続き改善され、お客様やパートナーに追加機能を提供してきました。最近では、デプロイ前/デプロイ後の設定スクリプトのサポートが追加され、より高度なカスタマイズが可能になり、SAP NetWeaver、SAP S/4HANA、SAP BW/4HANAなどのSAPアプリケーションソフトウェアのインストールを自動化する機能が追加され、インストールにかかる時間が数週間から数時間に短縮されました。

5月、AWS Backint Agentを発売しました。AWS Backint Agentは、SAP HANAデータベースのバックアップを容易にするSAP認定バックアップ・リカバリソリューションです。これにより、SAP HANA Cockpit、SAP HANA Studio、SQLコマンドなど、使い慣れた管理ツールを活用しながら、SAP HANAデータベースをAmazon S3に直接バックアップできます。11月、AWS Launch WizardとAWS Backint Agentの統合を発表しました。これにより、AWS Launch Wizardのデプロイプロセス中にHANAバックアップを設定できます。

2021年、次は何を?

2021年に目を向けて、SAPのお客様がコアビジネスシステムに関する新たなレベルの効率性とイノベーションを推進するお手伝いをしていきます。つまり、リフト&シフト、またはS/4HANAのアップグレードを含むものであれ、お客様固有のニーズに基づいて最適なSAP戦略を実行できるよう支援します。また、SAPのお客様にシンプルな管理エクスペリエンスを提供するためのツールへの投資を継続し、さまざまなコストとパフォーマンス要件に合わせて最適化するための幅広いインフラストラクチャを提供します。そして、SAPのお客様がクラウドジャーニーを通じてサポートできるよう、より強力なパートナーコミュニティを構築していきます。

始めるには

まず、AWS Launch Wizard for SAPを試してみることをお勧めします。AWSでSAPシステムをデプロイして運用することの他には、柔軟性と自動化の魅力を体験できる良い方法はありません。

ちょっとした調査をお考えの場合は、2020 ISG Provider Lens™ Quadrant Report for SAP HANA Infrastructure ServicesでAWSをリーダーに選んだ理由について、ISGからの全レポートを読むことをお勧めします。また、AWS 2020 re:Inventプレゼンテーションでは、SAPのお客様から見えてきている多くの傾向と、AWSを選択している理由について概説しています。また、SAPコンピテンシーパートナーといつでも連絡したり、アカウントマネージャーに詳細情報をご依頼いただくこともできます。

最後に、2020年の課題を一緒にナビゲートして頂けたすべてのお客様とパートナーに感謝します。新年を皆様と迎えられることを非常に嬉しく思います。

—スティーブ

翻訳はPartner SA松本が担当しました。原文はこちらです