Category: re:Invent


Lambda@Edge – プレビュー

ちょうど先週、私が Hacker News上で書いたコメントがきっかけでAWSのお客様から興味深いメールを頂きました。

彼はS3上でホストしているシングルページのアプリケーションを動作させていて(こちらについてはAmazon S3で静的なWebサイトの運用が可能に をご覧下さい。)、Amazon CloudFrontを経由して少ないレイテンシーで提供していると教えてくれました。そのページは、AWS Elastic Beanstalk上でホストしているAPIを使って、それぞれのユーザー向けにカスタマイズして表示するいくつかの動的な要素を含みます。

彼が説明してくれた彼の課題はこちらです。

適切に検索エンジンのインデックスを取得するために、またFacebookやTwitterないで正しく表示するためのコンテンツのプレビューをするためには、それぞれのページが事前に表示されたバージョンを提供する必要があります。こちらを実現するには、一般ユーザーがヒットするたびに、私たちのサイトはノーマルのフロントエンドをCloudFrontから提供する必要があります。しかし、もしユーザーエージェントがGoogle / Facebook / Twitter等にマッチする場合は、その代りに私たちは事前に表示されたバージョンへリダイレクトさせる必要があります。

私たちはこのユースケースについてよく分かっており、興味深いソリューションを準備中であることを彼に秘密を漏らすことなく伝えました。他のお客様もまた、エッジにおいてクイックな判定によりカスタマイズしたいと伝えてくれてました。

お客様に近いロケーションでHTTPリクエストを”賢く”処理しなければならないユースケースがあることがわかりました。これらには、HTTPヘッダの検査および変更、アクセスコントロール(特定のcookieを必要とする)、デバイス検出、A/Bテスト、クローラーまたはbotsのための処理または特別な対応、レガシーシステムに適応させるためにユーザーフレンドリーなURLを書き換えるユースケースを含みます。多くのこれらのユースケースは、シンプルなパターンマッチングやルールによって表現可能なユースケースよりも多くの処理や判定を必要とします。

Lambda@Edge
これらのユースケースのサポートを提供するために、私はLambda@Edgeのプレビューをラウンチしています。この新しいLambdaベースの処理モデルにより、ますます増加するAWSエッジロケーションのネットワーク内で動作するJavaScriptコードを書くことが出来ます。

CloudFrontのディストリビューションを通して流れるリクエストやレスポンスを処理する軽量なロジックを書くことができます。4つの異なるイベントに対するレスポンスの中でコードを実行できます。

Viewer リクエスト – あなたのコードは、コンテンツがキャッシュされるか否かに関わらず、あらゆるリクエストにおいて動作します。こちらがシンプルなヘッダ処理用のコードです。

exports.viewer_request_handler = function(event, context) {
  var headers = event.Records[0].cf.request.headers;
  for (var header in headers) {
    headers["X-".concat(header)] = headers[header];
  }
  context.succeed(event.Records[0].cf.request);
}

Origin リクエスト – リクエストされたコンテンツがエッジでキャッシュされていない時に、Originに転送される前にコードを実行します。ヘッダを追加したり、既存のヘッダを編集したり、URLを編集したりすることが可能です。

Viewer レスポンス – キャッシュされているか否かに関わらず、すべてのレスポンスにおいてコードを実行します。Viewerに戻す必要のないヘッダをクリーンアップするためにこちらを利用できます。

Origin レスポンス – キャッシュミスにより Originへコンテンツを取りに行き、エッジへレスポンスを戻した後でコードを実行します。

リクエストやレスポンスに含まれるURLやメソッド、HTTPバージョン、クライアントIPアドレス、ヘッダなどのさまざまな要素へコードからアクセスできます。まず最初にヘッダを追加、削除、そして編集することができるようになる予定です。すぐに、bodyを含むすべての値に対して読み込み/書き込みの完全なアクセスができるようになる予定です。

JavaScriptコードは、リクエスト/レスポンスパスの一部になるでしょう、そしてそれは効率的で、重要で、自己完結型のものでなければなりません。他のWebサービスをコールすることは出来ません、また他のAWSリソースへアクセスできません。128MBメモリ内で動作しなければならず、また50ms以内で完了しなければなりません。

開始するには、新しいLambda function を作成して、あなたのディストリビューションをトリガーとして設定し、新しいエッジランタイムを選択します。

その後で通常通りコードを書きます。Lambdaはエッジロケーションでの舞台裏での処理をしてくれます。

興味深いですか?
このクールな新しい処理モデルはいくつかのとてもクールな新しいアプリケーションや開発ツールの作成を導いてくれると信じています。あなたがこちらを使って何をもたらしてくれるか待ちきれません。

私たちは本日Lambda@Edgeの制限付きのプレビューをラウンチします、そして利用者を募集しています。もしあなたが関連しそうなユースケースをお持ちで、こちらを試す準備が出来れいれば、ぜひこちらにご応募ください。

-Jeff

翻訳は舟崎が担当しました。原文はこちらです。

進行中 ー Amazon EC2 Elastic GPUs

私は過去にGPUベースのコンピューティングのメリットについて書いてきました。最近では最大16個のGPUを搭載したP2インスタンスのリリースがありました。過去に指摘したように、GPUは驚異的なパワーとスケールを提供し、同時に結果を得るまでの時間と全体的な計算コストを削減する可能性があります。

今日、私たちが取り組んでいる新しいGPUベースの機能について少しお話したいと思います。 もう少しすると既存のEC2インスタンスタイプにグラフィックアクセラレーションを追加することができるようになります。 G2またはP2インスタンスを使用する場合、インスタンスサイズによってGPUの数が決まります。 これは多くの種類のアプリケーションでうまく機能しますが、他の数多くのアプリケーションでも、より新しい、より柔軟なモデルを利用する準備が整ったと考えています。

Amazon EC2 Elastic GPUs

発表されたAmazon EC2 Elastic GPUは、それぞれ異なる長所を提供します。アプリケーションに最適なEC2インスタンスのタイプとサイズを選択でき、また、インスタンスを起動する際にElastic GPUの使用を指定し、4種類のサイズから選択できます。

Name GPU Memory
eg1.medium 1 GiB
eg1.large 2 GiB
eg1.xlarge 4 GiB
eg1.2xlarge 8 GiB

Elastic GPUをM4、C4、およびX1インスタンスで使用できるようになります。 現在、新しいインスタンスを起動するときに新しく作成されたEBSボリュームを設定する機能がありますが、 Elastic GPUについても同様に起動設定の際に希望のサイズを指定したり、実行中のインスタンスを停止、起動することにより変更が可能です。

OpenGLで始める

Amazonに最適化したOpenGLライブラリは、自動的にElastic GPUを検出して使用します。 OpenGLのWindowsのサポートから始め、その後、Amazon Linux AMIやOpenGLの他のバージョンのサポートを追加する予定です。 また、DirectXVulkanなど他の3D APIのサポートも検討しています(興味があるかどうかをお知らせください)。 既存のMicrosoft Windows AMIのリビジョンにAmazonに最適化したOpenGLライブラリを追加します。

OpenGLはレンダリングには最適ですが、レンダリングされたものはどうやって見ますか? 素晴らしい質問です! 1つの選択肢は、レンダリングされたコンテンツをHTML5と互換性のあるブラウザやデバイスにストリーミングするために、NICE Desktop Cloud Visualization(今年初めに買収 – Amazon Web Services to Acquire NICE)を使用することです。 これには、最近のバージョンのFirefoxとChrome、あらゆる種類の携帯電話とタブレットが含まれます。

このハードウェアとソフトウェアのユニークな組み合わせは、あらゆる種類の3Dビジュアリゼーションやテクニカルコンピューティングアプリケーションの為に素晴らしいホストになると私は信じています。 既に2つのお客様よりフィードバックを共有して頂いております。

ANSYSRay Milhem (VP of Enterprise Solutions & Cloud) のコメント:

ANSYS Enterprise Cloud は、AWSに最適化された仮想シミュレーションデータセンターを提供します。お客様が革新的な製品設計をできるエンドツーエンドのエンジニアリングシミュレーションプロセスをサポートする上で非常に重要である豊富なインタラクティブグラフィックスエクスペリエンスを提供します。Elastic GPUにより、ANSYSは顧客が求める価格と性能に適したサイズにてこのエクスペリエンスをより簡単に提供することができます。私たちはANSYSアプリケーションがElastic GPU上で動作することを認証し、お客様がクラウド上でより効率的に革新を行うことを可能にします。

 

Siemens PLMBob Haubrock (VP of NX Product Management) からもコメントを頂いています:

Elastic GPUは、クラウドにおけるCAD(Computer Aided Design)のゲームチェンジャーです。Elastic GPUを使用することで、プロフェッショナルグレードのグラフィックスを使用して Siemens PLM NX をAmazon EC2上で実行できるようになり、AWSが提供する柔軟性、セキュリティ、グローバルスケールを活用できます。 Siemens PLMは、EC2 Elastic GPUプラットフォームでのNXを認証し、お客様の設計とエンジニアリングの革新の境界を広げるお手伝いをすることに興奮しています。

 

 

新たな認証プログラム

ソフトウェアベンダーや開発者のアプリケーションがElastic GPUやGPUベースのサービスをフルに活用できるよう、本日、AWS Graphics Certification Programを開始します。 このプログラムは、サポートされているインスタンスとGPUタイプの組み合わせにおいてアプリケーションを迅速かつ自動的にテストするためのクレジットとツールを提供します。

Stay Tuned

いつもの通り、利用可能になりましたら、すぐに追加の情報を共有します!

Jeff; (翻訳はSA益子が担当しました。原文はこちら)

re:Invent 2016 に向けての準備 – 来たるウェビナーにぜひご参加を(英語によるセッション)

AWS re:Invent 2016 の開催まで残り 60 日に迫りました。AWS サービスについて学ぶ機会を数多く提供しようと、私はすでに大量の記事をブログに投稿し、同僚も昼夜問わず尽力しています。新しい 2 つの会場で、ハンズオンラボ、認定資格試験、終日の追加コンテンツ、re:Source Mini Con (終日の技術セッション)、昨年の 2 倍の数の分科会セッションを予定しており、参加者の皆様にご満足いただけると確信しています。時間外には、アジェンダにちなんで、いくつかのアクティビティを予定しています。たとえば、チキンウィング早食い大会、Pub CrawlHarley Ridere:Play パーティre:Invent 5k (5 km ラン) などです。

ラスベガスで開催されるこのイベントに向けて万全に準備いただけるよう、3 つのウェビナーを用意しました。これらのウェビナーは無料かつ任意ですが、このイベントを最大限に活用できるよう、ぜひご参加ください。ウェビナーの概要は以下のとおりです。

How to Reserved Your Seats (席の予約方法) – 約 20 のトラック全体で 450 以上の分科会セッションを予定しています。今年は、お客様からの要望に基づいて、席を事前に予約できるようになります。それにより、不確定要素が減り、日程を組みやすくなっています。ウェビナーでは、オンラインツールで席を予約し、日程を組む方法を習得します。ウェビナーのセッションは以下のとおりです (すべての時間は PT)。

Deep Dive on AWS re:Invent 2016 Breakout Sessions (AWS re:Invent 2016 分科会セッションに関する詳細) – 上記の各トラックには、入門、アドバンスド、エキスパートレベルのセッションが含まれます。このウェビナーは、トラックとセッションの詳細を把握し、日程を組み始めるために役立ちます。ここでも、セッションの時間は PT です。

Know Before You Go (参加前の準備) – このウェビナーでは、基調講演、分科会セッション、トレーニングと認定資格セッション、re:Invent Central、ネットワーキングセッション、時間外のアクティビティを含め、re:Invent の全体像を説明します。

Jeff;

 

後記 – この大規模なイベントの開催が近づくにつれ、過去の参加者や AWS パートナー様から独自のハウツーガイドが公開されると思われます。もちろん時間が許す限りですが、公開されたそれらの情報についてまとめの記事を投稿していきます。